みどりの小鳥―イタリア民話選 (岩波世界児童文学集)/岩波書店
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『みどりの小鳥-イタリア民話選』より

「ローズマリーの娘」

イタロ・カルヴィーノ 作

河島英昭 訳




『みどりの小鳥』の中から、もうひとつ可愛いお話を紹介しましょう。

パレルモに伝わる民話です。


子宝に恵まれない王さまと女王さま。

庭に茂るローズマリーの芽を見て思いました。

「まあ、このローズマリーにはこんなにたくさん子供がいるのに、女王の身でありながらひとりの子どももいないなんて!」

ところがある日、女王はローズマリーの苗を生みました。

人間の女性が植物を産む!?

どうして?どうやって?どんな状態で産まれてきたの?

疑問が湧いてきて、いろいろ想像してしまいますが、ここはさらっと書かれて次のエピソードに移ってしまいます。


ローズマリーは成長すると、葉かげから髪の美しい娘が顔を出しました。
娘に恋をしたのがスペイン王です。戦争に出かけるため、留守の間、庭師に世話を託しましたが……。
スペイン王は再び、ローズマリーの娘と会うにはちょっとした工夫が必要でした。

どうしたんでしょうね。


人間から生まれた植物が人間になって、水がないと枯れそうになり、きちんとお手入れしてあげると、再び人間として元気に復活!

ローズマリーの香りを思い出しながら読みたい、ふしぎなふしぎな植物の童話です。