もりのえほん/福音館書店
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『もりのえほん』

 安野光雅著 福音館書店


絵だけの森の絵本です。

見開きいっぱいに描かれた細密画の中に、どうぶつが隠れているのです。あるページでは茂みの中にうさぎ、あるページでは木の上にパンダ、次のページを開くと木の幹がきりんの首だったりします。最後のページに回答があるのですが、全然見つけられないどうぶつもいました。


でも、私にはどうぶつを探すよりドキドキしたことがありました。

もりのえほんというタイトルが書かれた最初のページに森の絵があり、小さな男の子と小さな女の子とが手をつないで森の中に入って行こうとしています。

てくてく、てくてく。土を踏むクツの音が聴こえてくるような。

二人がどんなにわくわくしながら森の奥へと歩いていくのか、ドキドキしている心臓の音まで聞こえそうな絵なのです。

この絵を見ているだけで、いくつものどうぶつの姿が生き生きと浮かんでくるようでした。