- 希望の木/カレン・リン・ウィリアムズ
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大切な誰かのために、どこまで挑戦できますか
『希望の木』
カレン・リン・ウィリアムズ/文
リンダ・サポート/絵
高岡美智子/訳
PHP研究所
小さな男の子、ファシ―ルに妹が生まれました。
マンゴーの木の上から、それを見ていたのです。
その木は、ファシ―ルが生まれたとき、パパが植えてくれた木。
「強い木は、子どもを守ってくれるんだよ」とパパは教えてくれました。
ファシ―ルも、妹に「なにかあげたいなあ」と思いました。
そこで、食べ終わったマンゴーからとったタネを植えることに。
でも、やっと出た芽はヤギが食べてしまいました。
次に芽がでたときは、くさってしまいました。その次には、野焼きで燃えてしまいました。
ファシ―ルは妹にあげるものがなくなってがっかり。
そんなある日、妹が病気になってしまうのです。
ファシ―ルは、強い木をあげることができるのかな。
ハイチでは、子供が生まれると、へそのおを、果物の木のたねといっしょに植える習慣がありました。
そのたねから育つ木は、子どもを守護するといわれていました。
ハイチもまた、大地震におそわれた国です。
東北の多くの人たちのように、大切なひとをたくさん失いました。
それでも、「ぼくたちは何もないけど、希望だけはあるんだよ」とハイチの子どもが言ったそうです。
何度うしなっても、妹のために、タネをまきつづけたファシ―ルのように。
誰かのために、希望を育てる人は、強い木です。