はがぬけたときこうさぎは…/ルーシー ベイト
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毎日の小さなよろこびを感じたい

『はがぬけたとき こうさぎは・・・・』

ルーシー・ベイト/文

ディアン・ド・グロート/絵 

河野千代/訳 リブリオ出版



生まれて初めて、歯がぬけたときのことを覚えていますか?

私の田舎では、「ネズミの歯とかえてくれ!」と言って、2階の窓から放り投げると丈夫な歯が生えるといわれていたので、そのとおりにやりました。

あ、でも、庭から2階に向かって投げたんだったかなあ。

もう記憶が定かではありません。そりゃそうです、もう何十年も前のことですから。

次に歯がぬけそうになったとき、グラグラするばっかりで全然ぬけなかったので、歯医者さんに行きました。

歯医者さんはするっとぬいて、ビンの中に放り込んでしまいました。

あっ! 私の歯、持って帰りたかったのに~~~。「ネズミの歯とかえてくれ!」って、言えないじゃないっ!

と、小さな私はちゃんとお医者さんに伝えておかなったことに地団太ふんだのでした。



この絵本は、そんな初めて歯がぬけたこうさぎが主人公です。
うさぎの前歯って、にょきっと出てますよね、あのうちの1本がぬけたのです。
アイスクリームの上にぽこんと落っこちた、歯。
こうさぎは、ぬけた歯についたアイスクリームをなめて、それから水道の水でじゃぶじゃぶ洗って!
で、ぬけた歯はどうするのかって?
うさぎの家では、枕の下に入れておくんだそうです。眠っている間にフェアリーさんが来て、その歯をもっていくのです。そのかわりに、プレゼントをおいていくんですって!
なんだかステキな方法。
でも、こうさぎさんは自分の歯をフェアリーさんにあげたくないのです。さあ、どうするのかな?

大きな木の家でおこる、こうさぎさんとぬけた歯のかわいいお話です。



今まで、自分の分身だったものを大切に大切にする気持ちがあたたかくて、ほほえましくて。
人生って、毎日って、どんなに小さなものでも、いとおしく感じられる喜びにあふれているんだなあって、思えてくる絵本です。