モミの手紙/ロバート・フロスト
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何にお金を使いますか?

『モミの手紙』

ロバート・フロスト/文 
 テッド・ランド/絵
 みらいなな/訳 童話屋



お金について考えることになる、一冊です。
何に価値をおくか? でお金の使い道は変わります。
何にお金を払うか? でその人の価値観がわかったりします。
人生で大切にしているものが何か、わかったりします。


バルサムモミの木の山をもっている男のもとに、一人の商人がやってきます。
「欲しいのはクリスマスツリー、と男は言った。

たまげたことに、わたしの山のモミの木は 

商人の目にはクリスマスツリーと映るらしい」

モミの木は香りがよく、美しく、神々しい。

青緑色、深緑色、黄緑色、濃淡の緑色で描かれたモミの木のページは、

日本にいることを忘れて、遠い異国の森の中へと誘われるようです。

青い空には鳥が飛びかい、そこが完全な自由であり、モミの木が生き生きと育っていることがわかります。

そして、モミの木のすぐそばで生きている家族にとっても、誰に査定されることのない自由な人生。

「モミの木を切り倒してお金に替えようなんて、金輪際考えたこともない。そんなことをしたら、生きものたちは山に住めなくなる」と男が考えている間に、

商人は冷静に告げます。「1000本、ぜんぶで30ドル」

そして、男は“モミの手紙”を書くのです。




モミの香りがただよう広い大地、

りんごやかぼちゃなど自分たちで育てた食料、

まき割りをすませた暖炉の薪、犬や猫、馬といっしょに暮らす日々。

都会で生きる人々が忘れてしまった風景が描かれています。

お金と人、お金と自然、お金と礼儀、お金と言葉…。

ページをめくるたびに、あなたの心をドキッとさせる場面に出会う絵本です。