杉原梨江子と一緒に読みましょ 木の絵本と森の童話-ヒロシマのピアノ


ピアノを弾くのが好きな人に読んでほしい絵本

『ヒロシマのピアノ
 綿のぼうし-被爆ピアノに捧げる曲-CD付き』
 指田和子/文
 坪谷令子/絵
 文研出版

主人公は、ピアノ。製造番号18209

広島市に住む4歳の女の子、みさちゃんのところに行くことになりました。

みさちゃんはそのピアノが大好き。

将来の夢は、東京の音楽学校に行き、ピアノの演奏家になること。

ところが、みさちゃんが高校生になるとき、戦争が始まります。

最初はいさましかった日本ですが、武器をつくる金属が足りなくて、ピアノ線も持っていかれると噂が立つようになり、

アメリカとの戦争が始まって、4度目の夏、あの原爆が広島に落ちるのです。

 

60年の歳月が経ち、みさちゃんはおばあさんになっていました。

幸いなことに、ピアノは原爆で音が狂ってしまったものの、焼けずに、みさちゃんのそばにあります。

ある日、みさちゃんはいい調律師さんがいると聞き、音のくるったピアノを送ることにしました。

調律師の矢川光則さんは、まるでピアノの声が聞こえるかのように、音を治してくれました。やがて、ピアノは各地のコンサート会場で行われる、被爆したピアノの演奏会で活躍します。

今も、幸せに音楽を奏で続けています。