『わたしは 生きてる さくらんぼ
ちいちゃな女の子のうた』
デルモア・シュワルツ/文
バーバラ・クーニー/絵
白石かずこ/訳 ほるぷ出版
わたしは 生きてる さくらんぼ と
ちいちゃな女の子が うたいます.
まいあさ わたしは あたらしいものになるのよって。
裸の女の子が歌う歌は
“わたしって、なあに?”“わたしって、だあれ?”を、
読者である私たちに問いかけるようです。
わたしは リンゴ
わたしは プラム
わたしは 木
わたしは 猫
わたしは 花になって ひらいたりもするの.
わたしはあかよ. と女の子が歌うとき
ページは雪の降り積もる丘が真っ赤な夕日で染まります。
わたしは 金. と女の子が歌うとき
黄金色に染まったヤナギの枝に腰かけています。
女の子は、何にでもなれるけど、
「わたしは いつも わたしでしょう」と知っています。
「生きる」って、こういうこと。
素朴で、あたりまえの毎日で、
この世界に存在していることがすばらしい!
だからこそ、いつでも自分から、幸せになることができるって、教えてくれます。
いのちがあるのだもの。
家の中でも、森の中でも、どこでも、
今ここに、あなたのいのちが。