『おおきな木』
シェル・シルヴァスタイン作・絵
ほんだきんいちろう訳
篠崎書林
子供の頃、母がよく絵本を贈ってくれました。上京するときに、母がくれた本を何冊かカバンに入れて持ってきました。この本もそんな中の一冊。
おおきなりんごの木と小さな男の子のお話です。男の子と木は仲良し。おおきな木は男の子が大好きでした。時は流れて、男の子は成長して、青年になって、大人になって、おじいさんになって・・・。おおきな木が男の子にくれたもの、それは何だったと思いますか。
この絵本を初めて読んだとき、ちいさな私は、「私も、このおおきな木のような人になりたい」と思いました。10代のときも思いました。20代のときも思っていました。そして、今は・・・。初めて本を手にしたときから歳月が経ち、今はちょっと違う感想を持っています。
一本の大きな木が時をかけて、その姿を変えていくように、一冊の本も時をかけて、その意味を深めていくのだと思います。
あなたの心で、感じてください。誰かを愛するとは、どういうことなのかを。