『おおきな かしの木』
エリザベス・ローズ文
ジェラルド・ローズ絵
ふしみみさを訳(岩波書店)
絵本は2ページにわたって、かしの木の葉っぱが描かれた扉から始まります。
濃い緑色、淡い緑色、あざやかな緑色、オレンジ色の葉っぱ。枝にくっついたままのドングリは緑色。
大きなかしの木を下から見上げたような風景が広がり、すぐにも絵本の中に吸い込まれていきます。
次のページをめくると出てくるのは、かしの木のドングリを拾った一匹のリス。フクロウに襲われそうになって、びっくりして、ドングリを地面に落としてしまいます。
そこから、一本のかしの木の歴史が始まるのです。
暗く湿った土の中で芽を出したドングリはどんな経験をするでしょう?
千年という歳月が、一冊の絵本の中に描かれていきます。
かしの木との触れ合いは、そこに集った動物や人々にとって、かけがえのない大切な時間であったことを、すべての命が感じるのです。
☆杉原梨江子公式ブログ「聖なる樹の言の葉たちⅡ」
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