こんばんはー^ ^


遅くなりましたが、
『メサイア 悠久乃刻 』全公演を無事に走りきることができました。


沢山の応援、本当に有り難うございました。


色んな思いが交錯して何から書いたら良いのかわからないですが、のんびり振り返って綴りたいと思います。








どこかの取材で、
『メサイア』は僕の成長記録です。
と答えたことがありました。




僕が初めてこの作品に携わったのは、映画『メサイア 深紅ノ章』でした。



この時、井澤勇貴と初めて会いました。


その頃から勇貴はたくましくて、とても同い年には思えませんでした。



人生初の映画の撮影で、不安と緊張で、1カット目はほんとに足が震えたのを覚えています。



撮影はちょうどミュージカル『テニスの王子様 全国立海 』の東京公演中でした。




自分なりに精一杯台本を読んで、セリフを覚えて撮影に臨んだつもりでした。


それでも周りの先輩のお芝居に自分だけ浮いている気がして、燈くんに〝僕の芝居変じゃないですか?〟ってアドバイスを求めたりしました。


先輩達は優しくて、〝大丈夫、自分のプランをしっかり出してごらん〟って色んな人が背中を押してくれました。



凄く心強かった…。





撮影中熱を出してどっちの現場にも凄く迷惑を掛けた…。



キャスト、スタッフの皆さんは凄く優しくて…。
その優しさが逆に痛くて、めちゃくちゃ悔しかった。





そして公開の順番は逆ですが、次が
『メサイア 鋼ノ章 』



その前に、松田凌さん演じる海棠鋭利、小野健斗さん演じる御津三見珀の卒業公演である『メサイア 翡翠ノ章 』を観劇させて頂きました。



メサイアの世界観と先輩方の芝居にあっという間に引き込まれ、気が付いたら涙を流していた。



観終わった後、作品の余韻に浸りながら、次からは自分も同じ舞台に立てることへの高揚を抑えることが出来ずにいた。





『鋼ノ章』の顔合わせはもの凄く緊張したのを覚えている。

それでも、〝なんとか食らいついてやる〟と覚悟を決めて挑んだ稽古だった。


でもいざ稽古が始まってみると、周りのレベルと意識、熱量の高さに圧倒された。



自分のメサイアになる勇貴は、堂々と作品を背負って立っていた。

勇貴も必死だったのだろうけど、僕には遠い存在に思えた。



悔しくて仕方なかった。




演出の西森さんからのオーダーも、今まで求められたことのないレベルのモノだった。


話を理解できずに〝この人何言ってんだ〟と腹が立った。


同時に応えられない自分にも腹が立った。


今思うと、大したオーダーじゃ無かった気もする。


それでもその時はわからなかった。



必死で考えて、〝ビビったら負けだ〟と自分に言い聞かせて、体当たりでチャレンジし続けた。




『鋼ノ章』では、大澄賢也さんと同じシーンが多かった。


僕の芝居を大きな懐で受け止め続けてくれた。



死ぬほど心強かった。



質問すれば分かりやすく応えてくれるが、言葉で多くを教わった覚えはない。


それでも稽古で、本番で、賢也さんから教わった事は数え切れない。



賢也さんの〝目〟から飛んでくる力は凄い。


あっという間に、舞台の上の空間だけに引き込んでくれる。


芝居をする時、周りには色んな雑念がある。

お客さんの目、演出家の目、この芝居をしたらどんな風に思われるだろう、次はどんなダメ出しをされるだろう。怒られるかな?褒められるかな?褒められたいな、良いところを見せたいな


そんな雑念を全て払って、舞台上だけに連れていってくれる。



舞台に立つこと。
そこでセリフを交わすこと。
その意味とは何か…。




言葉で教わるよりも大切なものを受け取った気がする。




『悠久乃刻』を観に来てくださった時

公演が終わって、面会に来てくれた賢也さんの顔を見た瞬間飛びついた。


何故だかわからないけど涙が溢れてきた。

張り詰めていた糸がふっと緩んだ。


〝頑張ったな〟と一言だけ。


死ぬほど嬉しかったけど、勝手に〝もっとやれるだろ〟と言われてる気がした。


自分でもわからないけど、
何故か悔しかった。




『鋼ノ章』の次は『メサイア 暁乃刻 』

『鋼ノ章』からは少し期間が空いての公演だった。


メサイアへ対する心持ちが大きく変わったのはこの公演だ。


加々美いつきとしても過去が明らかになる大事な作品だった。



まず、稽古が始まって、自分の立ち位置が先輩であることに戸惑った。


自分にこの作品を背負っていく力があるだろうか。

座組を引っ張っていくことが出来るだろうか。


色んな不安が襲いかかってきた。


そんな時、大きな背中を見せてくれたのが、座長の赤澤燈くんだ。


燈くんは稽古場から、苦しい役へ正面からぶつかって、本当に命を削って挑み続ける姿を皆んなに見せ続けてくれた。



だから、勇貴と決めた。


〝座組の事は燈くんがいれば大丈夫。その代わり、僕たち2人で全力で燈くんを支えよう〟

って。


それでも本番が始まってみれば、やっぱり燈くんの背中に助けてもらってばかりだった。

そんな姿をずっと見てきたから、カーテンコールでは涙が溢れて止まらなかった。



本当に頑張った。



本来ならメサイアと2人で背負うこの作品を、弱い部分を一切見せず1人で背負い切った燈くんを心から誇りに思う。





そしていよいよ、有賀涼と加々美いつきの卒業。
『メサイア 悠久乃刻 』だ。



決して楽な道のりでは無かった。



アクションの量ももちろんだが、本当に辛いお芝居だった。


加々美に降りかかる試練を、杉江大志が受け止めるのにかなり時間がかかった。



加々美に起こっていることを自分に置き換えたらどうなるか、稽古場を離れて非常階段で何時間も想像し続けた。



台本をリアルにイメージすればするほど、苦しくてこの芝居をするのが嫌になった。



それでも逃げずに立ち向かえたのは、周りの皆んなのおかげだった。


スタッフさん、キャスト、そして相方の勇貴。



本当に頼もしい。



こんなにも包み隠さずに自分の弱い部分を晒け出せる現場はそうは無い。


だから逆に思った。



〝全てを見せよう〟と



自分のことで精一杯で、座長として出来ることなんて何一つ無かった…。

それでも、皆んなが僕たち2人を座長として支え、持ちあげてくれる。


だったらせめて、
自分の全てをさらけ出して今ある精一杯をぶつけよう。


そう思った。



僕にはそれしか出来ないから。



でも、それだけは出来る。





そう思って走り切った19公演。



本当にあっという間だった。




走り切った先には、最高の景色が待っていた。




スタンディングオベーションに、後輩からの花束。



そして何より、たくましくなった後輩達の顔にものすごくホッとした。




ずっと泣かないようにしていたのに、その表情を見たら涙をこらえる事が出来なかった。




大事なことはきっと伝わった。




彼らなら安心して次の『メサイア』を任せられる。



そう思った。




カーテンコールが終わって、楽屋に戻ってくると、演出の西森さんが待っていてくれた。


抱き合うとまた涙が溢れてきた。


西森さんはただただ優しかった。

しばらく胸を借りて、子供のように泣きじゃくった。







本当にキツイ芝居だった。


難しいオーダーも沢山あった。




だからこそ、僕を成長させてくれた。








この作品に出会えたことを心から誇りに思う。



スタッフさん、キャスト、相方。


そして何より、この作品を愛し応援してくださる皆さん。


沢山の方に支えられて、こんなにも成長する事が出来ました。




本当にありがとうございました。




加々美いつきはチャーチを卒業します。




最後にもう一つだけわがままを言わせて下さい。



これからも『メサイア』シリーズの応援、どうぞよろしくお願いします!!








本当にありがとうございました。




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勇貴。

俺のメサイアになってくれてありがとう


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涼…。
悠久の刻の中でまた会おう。