【前書き】
北九州市八幡西区にある鉄竜町と鉄王町。経済発展が目覚ましい昭和三十年代、北九州第二の繁華街だった黒崎から南西に3キロほど離れた田んぼが広がる広大な土地を、当時の八幡製鉄が買収。大規模社宅群(穴生社宅)を建設し、鉄を冠するちょっと変わった名前の新しい町がふたつ生まれたのでした。
私は1歳になる前から小学5年までの約10年間を、鉄竜の社宅群の中で暮らしてました。今から四、五十年前のお話しです。
公開してますが、以下いつにも増してトリトメのないお話になってますので、親族など近い方以外はスキップをオススメします。
「扇風機つけっぱなしで寝たら
死ぬよ!!」
鉄竜の社宅にいた頃よく聞いてました。アレは一体なんだったんでしょう?
子供に夜通し扇風機を使わせないためのマジックワード?、電気代を節約したい主婦の決めゼリフ?
調べてみたらwikipediaの注釈に、
‘’1972年7月21日付毎日新聞では水戸で男性が風呂上がりに扇風機をつけ放しにして寝たため、冷えて心臓麻痺で死んだと報じられたほか、1970年代には断続的に扇風機による死亡が報じられている。‘’
なんてあります。
新聞の妙な報じ方に端を発した流言なんでしょうか。1970-1980年代、広く流布してたようです。
当時私が住んでた鉄竜の新日鉄社宅にはクーラーがありませんでした。なので、暑くなると我が家は扇風機。風量ボタンは弱・中・強の三段階あって、その横に小さくて丸くて金色のSというボタンがあったのを覚えてます。これ押すとめちゃくちゃ弱い風になります。。。スペシャル?静風?そよ風?
調べてみたらそっくりな扇風機がオークションサイトに転がってました。この感じ、間違いありません。うちのは日立でした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230930/11/sugieda1971/f8/72/j/o1075108015344628721.jpg?caw=800)
小さい頃よく行ってた戸畑の祖父母宅には、指を切断しそうな、スチール製の古い扇風機がありました。覚えてないけど多分こんなヤツ↓
↓扇風機の歴史
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/senpu-ki/rekishi.html
我が家がエアコンなしで頑張ったのは、鉄竜の社宅から転出することになる1983年まで。新居を建てるときにようやくクーラー導入されました。(今はクーラーってあまり言わないですね)
社宅では仲が良かったご近所さんもクーラーないところが多かったような気がします(電気代もったいないから、つけてなかっただけ?)。後から聞いた話ではクーラーは取り付け可能な世帯数が決まってて?、順番待ちで取り付け?だったとか。
と言っても、今ほど暑くなかった気がするし、たま〜に熱射病というワードを耳にするくらい。午後には夕立ちが降って、ちょっと涼しくなることもしばしば。そんな感じだった気がします。
日本は昔より確実に暑くなってきてますが、改めて八幡の当時と現在の気温を気象庁の気候データで見てみました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230928/12/sugieda1971/c5/ae/j/o0745108015343841482.jpg?caw=800)
そういえば大人になってから時々思うんですが、夕立ちが少なくなったような気がします?。。気のせい?
検索してみると気象庁予報士さんに尋ねてる日刊ゲンダイの記事がヒットします。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/235274/2
中途半端に暑いほうが夕立ちが降りやすい。なんて書かれてます。
へぇー
でも確かに、そこまで暑くならないハワイや沖縄はスコールありますよね。でも、まわり海だし、これも夕立ち?どうなんでしょ?
↓Wikipedia見てみました
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%95%E7%AB%8B
‘’夕立という現象は、気象学的には驟雨、にわか雨、雷雨、集中豪雨といった現象にあたり、「夕立」という独立した現象があるわけではない。ただ、通常の驟雨などに比べて発生する時間帯などが特徴的で、一般的によく知られているため、日本では「夕立」という用語を気象学でも(特に天気予報で)用いる。
現象としては、急に発達した積乱雲によりにわか雨を降らせ、雷、突風、雹(ひょう)などを伴うことがあるものである。
時間帯では、正午を過ぎたころから日没後数時間までに発生するものを指す‘’
夕立ちの定義。かなりゆるい線引きです。厳密に定義することに意味も必要性もないんでしょうけど。ハワイは国外だからアレだけど、沖縄のスコールは夏の午後なら夕立ちかな?
先の記事によれば夏の午後のにわか雨自体は、減ってないそうなので、夕立ちが減った気がするのは、やはり気のせいかも?
ただ、気象現象だから地理・地形によっても降りやすい・降りにくいってのはあるんでしょうね。
改めて穴生・引野を振り返ると、海が近く、皿倉山丘陵地の終端あたりにあるし、湿度高めの夏の日に地面が温められれば、比較的上空は不安定になりやすいのかな?
私が今住んでいるところは、皿倉山のような大きな山はないけど、ちょっとした丘陵地みたくなってて、穴生・引野に似てる部分もあります。海は少し遠いけど、同年代の方に聞くと、やはり幼いころ夕立ちに降られたのを覚えてるそうです。
こうやって、私が夕立ち云々言うのも、比較的降りやすい所に住んでいたからなのでしょうか。あまり降らない土地に住んでたら、そもそも気にすることもないでしょうし。
あるいは夕立ちの降りやすい土地から、夕立ちの降りにくい土地へ移り住めば、減ったと感じることもあるのかもしれません。
私は八幡を離れて長いので分からないんですが、今でも八幡ではそれなりに夕立ちが降ってるんでしょうか?
近年は気温の上昇に伴い、甚大な被害をもたらすゲリラ豪雨がしばしば世間を賑わしてます。
ゲリラ豪雨だって夏の午後に降る場合は、夕立ちなんでしょうけど、どこか異質な感じがします。
子どもの頃は夕立ちの時間帯はほとんど外で遊んでたし、何度も遊ぶのを邪魔されたり?、汗まみれの火照った体が冷やされるのが心地よかったりして?、いつしか私の中で夕立ちという言葉は特別な意味を持つようになったのかもしれません。
そんな特別なものと比較して「これは夕立ち!」「こんなもんは夕立ちじゃない!」なんて、勝手に仕分けてたら、そりゃ夕立ちも減っちゃいますよね笑
大人になってしまうと、そんな特別な夕立ちには、なかなか出会えません。
おしまい