【前書き】
北九州市八幡西区にある鉄竜町と鉄王町。経済発展が目覚ましい昭和三十年代、北九州第二の繁華街だった黒崎から南西に3キロほど離れた田んぼが広がる広大な土地を、当時の八幡製鉄が買収。大規模社宅群(穴生社宅)を建設し、鉄を冠するちょっと変わった名前の新しい町がふたつ生まれたのでした。

私は1歳になる前から小学5年までの約10年間を、鉄竜の社宅群の中で暮らしてました。今から四、五十年前のお話しです。


もうすっかり食べてないけど、幼かった頃、地元の饅頭を食べる機会が何度もありました。この子たちです。(先日云十年ぶりにひよこ饅頭とは再会)
▼千鳥饅頭
▼ひよこ饅頭
▼それから八幡饅頭
爺ちゃん婆ちゃんが好きだったのかな?戴き物かな?ちょくちょく自宅や祖父母宅で饅頭に出会ってました。

ひよこ饅頭だけカタチが違うし、可愛くて顔から食べれないとか聞いた気がするけど、花より団子だった私にとってはどれも似たようなもの、餡の比率が多すぎる甘〜い饅頭たち、でした。
苦めのお茶が合うんでしょうけど、水代わりに牛乳ばっか飲んでて、お茶なんて滅多に飲まないし、餡が多くて甘過ぎる饅頭は苦手です。やぶれ饅頭とか最中(さかえ屋のすくのかめとか)も苦手。

それでも子どもだし、甘いもの好きだし、饅頭も食べるんだけど、だいたい途中から皮と餡を分離し始めます。食べ物をいじくりまわしたり、残したりすると怒られてたけど。

→コレもやりましたネ笑


その後、親元を離れてから饅頭を食べることはなくなりましたが、社会人になって間もなく東京土産のひよこ饅頭を見て、ん?となり、吉野堂が東京に進出してたのを知りました。

その後、饅頭たちは二十年以上何事もなく私の記憶の片隅で、甘〜い饅頭たちのままでしたが、ブログを書くようになってから八幡饅頭の鶴屋が閉業したことを知ります(その後復活したんですね→後掲)

千鳥饅頭についても、つい先日ブログを書いてて地元相生町にも店舗があるのを思い出しました(というか完全に記憶から消えてたのに気づいた)
↓そのタイミングでこのニュースが流れてきました
▼千鳥屋本家(飯塚)と千鳥屋総本舗(博多)のチロリアン訴訟。



千鳥屋が4社に分かれてて、それぞれが千鳥饅頭やチロリアン作ってたなんて。全然知りませんでした。

地元北九州の店舗はすべて千鳥屋本家。博多駅の店舗もすべて本家(キオスクのみ千鳥屋総本舗。総本舗は福岡市内メインに展開)。
ちなみに本家のチロリアンは、他より少しお値打ちだったりします。なんだか寂しいけど、次帰省して北九州や博多駅の店舗で買うときはチロリアンじゃなくてヨーデルンになってるのね。

個人的には、ここまでメジャーになった代名詞チロリアンの裾野を狭めてまで、千鳥屋ブランドに傷をつけてまで、差別化やブランド強化を進めるより、今になって屋号の違いを前面に出したほうが話題性もあるし、面白い気もするけど。。
→チロリアン滅多に食べない素人の無責任発言。そんな単純な話なら訴訟にナッテマセンよね〜

ただ、久しぶりに食べる本家のチロリアン(ヨーデルン)、ほんとリピートしたくなる程めちゃくちゃウマイです。総本舗のは食べたことないかもだけど。

 ▼5年前にも千鳥屋総本舗(博多)と千鳥屋宗家(大阪)が総本舗大阪進出で訴訟になってたんですね。知りませんでした。



↓これからはチロリアンとヨーデルンになっちゃいます。本家ホームページは既にヨーデルン。
 ▼チロリアン(千鳥饅頭総本舗)

▼ヨーデルン(千鳥屋本家)

▼チロリアン比較。でも、もうチロリアンじゃないのね。。


ほっかほっか亭とほっともっとの分裂は知ってましたが、千鳥屋創業者ご子息がそれぞれ別会社を営まれてたのはニュース見るまで知りませんでした。

↓千鳥屋各社
 ▼千鳥饅頭総本舗@博多

 ▼千鳥屋本家@飯塚

 ▼千鳥屋宗家@大阪

▼千鳥屋総本家@東京(現存せず)


話を饅頭に戻しますが、千鳥饅頭で私が覚えてるのは、自宅鉄竜から西鉄バス(80/82系統)で黒崎へ出掛けると、黒崎に着くころに車内で流れるこのアナウンス↓
「 次は・・・千鳥饅頭千鳥屋前・・・お降りの方はお知らせ下さい。メガネの愛眼・・・へお越しの方は次でお降り下さい。」
▼コアなファンがアップして下さった音声データに残ってます。懐かしい〜



千鳥饅頭に続いて、ひよこ饅頭。
▼吉野堂

▼東京ひよこ、昭和39年に関東進出だそうです。

▼CM



そして八幡饅頭。
▼鶴屋、閉店したと聞いてたけど。八幡饅頭、復活したんですね!

▼記憶に残る、あのCM


▼三つの饅頭たちを調べてアチコチうろついてるうちに辿り着いた、このページ。全然知らなかったんですが、千鳥屋と吉野堂とさかえ屋はすべて炭鉱の街、飯塚から始まり、飯塚と共に発展したんですね。

・ 飯塚川に架かる栄橋のそばに、さかえ屋。

・ さかえ屋の向かいに、千鳥屋。

・ 栄橋のらんかんには、千鳥のマーク。

・ そしてご近所に、吉野堂。

そうそうたる顔ぶれ。御三家と呼ばれるそうです。


▼そして千鳥屋各社はそれぞれ原田一族の経営ですが、アチコチうろついてるうちに気づきました。あれ?鶴屋ご主人も原田さん?もしかして?

▼そうだったんですね。全然知りませんでした。


▼最後に追加でさかえ屋です。たぶん、ちゃんとしたお菓子屋さん?だと笑、頂く機会がダントツに多かったと思います。マドレーヌやブッセはもう取り扱ってないんですね。

▼創業は昭和23年、この中では最も後発。



北九州・八幡の製鉄は、筑豊の炭坑に支えられてきましたが、お菓子でも深く繋がってるんですね。

チロリアン訴訟のニュースがあったので、千鳥饅頭について少し書くつもりでしたが、色々と知らなさ過ぎて、色々とビックリでした。


おしまい。
※ネットには先輩方が丁寧にまとめられた記事がたくさんあります。