ウクライナ軍が越境した露西部クルスク州では8日、3日連続となる戦闘によりウクライナ軍が占領地域を拡大しているようだ。ロシアとの交渉材料にするため、ロシア領内に占領地域を確保しようとしているという。米紙ワシントン・ポストは、ウクライナ軍が同州で約100平方キロ・メートルを制圧したと明らかにした。ウクライナ軍が国境から北方へ最大35キロ・メートル進んだとのことだ。


 2022年11月、ウクライナ当局者は、戦争の解決には、占領された領土の回復が不可欠だとの見方を示した。ダニロフ国家安全保障防衛会議書記は、ゼレンスキー大統領の主要な条件は、ウクライナの領土の一体性を回復することだと述べた。
 2024年6月、プーチン大統領は、和平交渉を始める条件として、ロシアが一方的に併合したウクライナの4つの州からウクライナ軍が撤退することをあげた。プーチン大統領は、ウクライナの和平に向けて「具体的で現実的な提案をする」とした上でロシアがおととし一方的に併合を宣言したウクライナ東部からウクライナ軍が完全に撤退することに同意し、実際に撤退を始めれば、和平交渉を始める用意があると主張した。
 ウクライナ占領地域と占領された領土の割合・中東情勢変化・アメリカトランプ政権樹立までの時間が、和平交渉を展開させ終戦へと向かうであろう。