日本の技術は、歴史的に見て奇跡的なところがある。近代では、明治維新からの産業復興や終戦後の経済発展に事例がみられる。これは、歴史的に遡れば、江戸時代の職人、戦国時代の鉄砲伝来の改良などにもみられ、世界的にみても群をぬいている。時間の短縮と品質の良さは、一時代だけでは築くことはできない。この秘密は何なんだろうか。
このルーツをもっと遡れば、縄文時代の「磨製石器」と「集落生活」に行き着くのではないか。縄文時代の技術も世界的に驚異的である。磨製石器の作成により、鍛錬力が養われ、集落での生活が人と人との協力体制を構築したといえるのではないだろうか。この、鍛錬力は、創意工夫、試行錯誤の習得を可能にし、協力体制は、能力の伝承に寄与したといえる。
こうした日本人独特の気質が基礎となり、技術を発展させ、今の時代も世界をリードしているといえる。一言でいえば、日本流の「わざ」が答えなのかもしれない。