奥利根へ岩魚を釣りに~クマ地獄 (((゜д゜;)))
大学1年のころ、利根川最源流の奥利根湖の奥へ岩魚釣りにいった。
魔しゅまろまん編の「S沼くん」とのアベック釣行であった。
奥利根湖は、矢木沢ダム というダムでもあるため、岸は急な傾斜面だ。
湖面から斜面を20~30mくらい上がったところにトラバース的な道がついていて、
どんどん奥へと続いていた。
10時に出発し、山超え、藪をくぐり、ガケを飛び降り、、、
15時30になったけど、まだまだ奥にあるはずの川にはたどりつけなかった。
疲れも溜まってきたので、テント張って寝ようということになった。
斜面の小道はトラバース的な小道なので、幅45cmくらいなものだ。
だけど、珍しくそこだけ、直径2.5mくらいのフラットエリアがあった。
サクッとドームテントを張り、2人とも即眠りに落ちた。
(深い眠りで、釣りのことはすっかりわすれていたら。。)
。。。ツンツン。。。誰かが体をつついている。
眠りの世界からよびもどされて、、
Sugi 「ん?なに?」
S沼 「外になにか歩いてんぞ。」
あたりはもう薄暗い。
外の音は、
「ザッ!(←足音)、 ざざざ~~!(←砂利が大量に斜面を落下していく音。)」
これが、1.5秒間隔くらいで繰り返し。。
しかも上のほうから下(こちらのほうへ)へ、何かがゆっくり歩いてくる。
時間は、6時前だっただろうか。
その何かは、 しばらくすると、テントのヨコまで来て、通りすぎ、湖面のほうへ降りていった。
音から判断するに、人間と同等またはそれ以上の重量のイキモノだ。
クマ? (うそ~ん(((゜д゜;))))
まあ、でも、一匹だけなら。。。
と思うまもなく、 また、
「ザッ!(←足音)、 ざざざ~~!(←砂利が大量に斜面を落下していく音。)」
「テケテケテケ。 チョロチョロ。(軽い足音)」
大きいの匹と、小さい音のやつが匹、まじっている。
子グマ連れの母熊?
それって、結構危険て書いてあったよねえ。。。
(昔読んだ、戸川幸雄とか椋鳩ジュウだかの本を思い出す。)
それから、ほとんど数分おきに、違うクマがやってきては通り過ぎる。
右から、左からも。。
ここは、クマの道の交差点だったのだな?と気がつく。
足音だけでなく、ノドを鳴らして、
「コッコッコココココ~~~」
的な声を発しているようだ(リラックス時)。
だけど、テントの近くにくると、クマはみんな、鳴かなくなる。
「んん?なんか匂うぞ~、食いもんかな~~^~^) 」
みたいな感じ?
悪質なやつは、テントをぐるぐる回る。
腹へってたけど、なにも食べることはできない。水を飲むのが精一杯。
それに、なんとザックの中には蜂蜜が入っているではないか。ピーンチ!
ビニール袋で2重に密閉。
ナイフ大と、ガソリンコンロPeak1を抱きしめ(全く意味なし。)
ぷるぷる震えて横たわるのみ。
眠れない。
恐怖をしのぎつつ、夜に考えたことといえばしょうもない。
そのときまだ私は、do貞だったので、
「せっかく○ンポつけて生まれてきたのに、使わないで死んじゃうの(:_;)?」
「子孫ものこらないの(ノω・、)」
なんてことだった。
真夜中12時くらいだったろうか?
それまで野性的に目を光らせて起きていたS沼も、とうとう疲れで寝始め、
こともあろうに、激しくイビキはじめた。
「グゴゴゴゴ~、ずゴゴゴゴ~、」
とそのとき、ヒトキワ大きい足音のクマが遠くから近づいてくる。。ヤバイ。。
イビキを止めてもらおうと、つ突いてみたが、完全に深い眠りで全くダメ。
大熊は、テントの前まで来て止まり、ぐるぐる廻りはじめた。。
私は、もし、クマがいびきに刺激を受け、テントに突入してきた場合を想像した。
戦うか、逃げるか?
卑怯者かつ童貞の私は、迷うことなく逃げることに決めた。
S沼は寝てるから、逃げ遅れるだろう。
彼がやられているあいだに逃げるのだ~、キキーッ^ー^)!(悪魔?)
(このパターンは、逃げたほうがやられてしまうケースも多い)
クマがS沼の方から突入してきたら、反対側の布を切り裂いて、ダッシュで湖面まで
逃げよう。
(とはいえ、湖面までは、急斜面だし、距離的に30mはあった。
水温も冷たく、しかも、水辺には、他のクマがうじゃうじゃいる。)
自分の頭から、布一枚隔てたところをクマが通る。
テントにぶつかって、布とクマがこすれたりしてるし。。。
頭の上を通過する時は、
「今くるか、今くるか。。」
というかんじで、ほんと、生きた心地がしない。
ひたすら、耐えに耐え、午前2時、3時、ようやく5時ごろうっすら明るくなった。
やった~(*^o^*) これでやつらもいなくなる??
ところがクマの活動状況は変化しない。
遠くて、いっぱい鳴いてるのがいるし、
あいかわらず、テントの後ろでうろうろしているやつがいる。
AM7時でも、まだいる。。
AM8時過ぎたら、ようやくなんだか静かになった。
「お前、外のぞいてみろよ。」
「お前が見ろよ。」
嫌な役を押し付け合いながら、テントの入り口から、裏側を見回す。
いない。
ダーッシュ!!
我々は、テントを30秒でたたみ、1分かからず、逃げだした((((((ノ゚⊿゚)ノ。
でも、に出くわすと嫌なので、石を2つ手にもって、タタキながらダッシュした。
ついつい力がはいってしまうので、石がすぐ、木っ端微塵にわれてしまう。
拾って、割れて、のくりかえし。
1時間くらいたって、やや見晴らしのいい開けた場所にきたので、軽い休憩ととった。
そのとき、美しい湖面に、カナディアンカヌーが朝日を浴びて、
「スィ~~~」
と進んでいた。
限りなく安全だ。(クマから)
うらやましすぎる。
次にくる時は、カヌーで来よう!
行きは5時間以上かかったはずなのに、帰りは2時間弱でついてしまった。
クマの足跡がいっぱいあったけど、ダムの駐車場から500mくらいのところにもあった。。
ダムのところの売店に入ってみると、地図があって、我々のいたところには、
クマと鹿の絵が描いてあった。
奥利根湖は、最近ではカヌーが盛んだけど、
カヌーで上陸していて、クマに太ももを噛みつかれ、病院送りになったヒトの
話がBEPAL に書いてあった。
やっぱ、あぶないのだ。