こんばんは。シュガーレスです。

 

前回は前書きだけで終わってしまいましたが、今回はいよいよ婦人科を受診します。

 

 

ある平日の午後。不定休の夫と休みを合わせて、いよいよ婦人科の門戸を叩きました。

 

私も夫も、婦人科の受診は初めて。

大の大人二人が挙動不審になりながら予約した婦人科へ足を踏み入れました。

 

はやる気持ちを抑えつつ、自動ドアをくぐると、意外とおしゃれな内装。

いや、内装どころじゃない。そんなことよりも。

待合室から受付に至るまで、見渡す限り一面の若い女性。

席という席が年頃の女性で埋まっていました。圧巻でした。

こんなに女性だけが一か所にギュッと集まっている場面など、女子校か女性専用車両でもなければ拝めないでしょう…。

 

私はいいんです。問題は夫です。

まさに針のむしろ。誤って女性専用車両に乗ってしまったのに電車が発車してしまって、居場所がなく困っているサラリーマン状態でした。

病院側の「当院では男性の方は女性に席を譲ってください」との注意書きも貼ってあったので、いっそ立っていた方がいいのでは?と思いましたが、しかし席が密集しすぎて立つ場所すらない(笑)

結果、隅の方の席で二人でものっすごく小さくなりながら、満席にならないよう細心の注意を払い座っていました。

 

婦人科では当然の光景かもしれませんが、旦那さんと二人で受診する場合は覚悟しておいた方がいいかもしれませんね。

 

 

 

カウンターで初診であることを告げると、受付のお姉さんに「男性医師と女性医師の希望はございますか?」と聞かれました。

 

この質問。聞かれるとはわかっていましたが、私は答えを用意していました。

「どちらでもいいです」、と。

 

一般的には、体……下半身、局部を見せるわけですから、そんなのもちろん同性がいいに決まっています。

しかし以前、友人から「婦人科では女医さんより男性医師を選んだほうがいい」という話を聞かされていました。

 

友人いわく、「女医さんは同性だから痛みがわかる。だから『このくらい平気ですよ』と言って痛い検査も容赦してくれない。その点、男性医師は『僕にはどのくらい痛いのかわからないから…』と言って優しくしてくれる。今まで行った婦人科は、みんなそうだった」とのこと。

 

この意見には周りの婦人科受診経験者が同調していたため、なるほどそうなのかと思っていました。

 

未完成婚で悩まれている方はみなさんそうだと思いますが、婦人科を受診すると決めた時からもっとも恐れているのはただ一つ。

触診・内診でいきなり膣をドーーーーン!!!!!と貫かれることです。

 

そんなことされたら死ぬかもしれない。もちろん、最終的な目標は挿入なので、いずれ何かを挿入されるのには違いないだろうけど、心ない人にいきなり激しくドーーーーーン!!!!!とされることだけは、どうしても避けたい。

 

なるべく優しく、泣いたら途中でやめてくれるような、優しいお医者さんに診てもらいたい…。

優しければ誰でもいい、厳しい女医さんにドーンされるくらいだったら、男性の優しい先生に診てほしい…。

 

そんな気持ちがありました。

 

どちらのお医者さんが優しいのかは、いくらHPのプロフィールを読んでもわかりません。

確率は2分の1。いや、もしかしたらどっちも怖いお医者さんかもしれない。

それなら、どちらを選んでも一緒じゃないか。

 

そう思って「どちらでもいいです」と答えました。

 

 

すると受付のお姉さんはあっさりと、「ハイ、じゃあ男性の先生にしときますねー」。

あ、ですよね。

そりゃみんな、婦人科では女医さんを選ぶから、どちらでもいい人は自然と男性医師になりますよね。

 

自分でどちらでもいいと言っておきながら、いざ男性になるとちょっとヒヨる私。

 

 

 

さて。待合室にて。

あれだけいた女性達が一人、また一人と診察室へ入っていき、待合室は半分くらいになりました。

それでもまだ居づらそうな夫。気の毒でした。

 

診察室には番号で呼ばれました。

名前を大きな声で呼ばれることはありません。

そういえば、問診票を書いた時も、思いっきり「未完成婚で悩んでます」と書きましたが、受付のお姉さんは口には出さずに「こちらの内容でお間違いないですね」と指で示してくれました。

 

プライバシーに配慮してくれて、たくさんいる女性たちが何のために受診しているのか、一つもわからないまま、診察室へと入りました。

ちなみに予約したけどそれなりに待ちました(笑)

 

 

 

 

 

いざ、診察室です。

男性医師とご対面。

優しい先生だといいな…という淡い希望を持っていましたが…。

 

「で?何しに来たの?」

 

お、おお。冷たいな…。

なかなか稀に見ぬ冷たいお医者様でした。

 

「えーと…未完成婚に悩んでいまして…夫とセックスができなくて…」

 

「セックスができないって何?どういうこと?ちゃんと説明してくれる?」

 

あれ?怒ってる?なんで怒ってるの先生??

だいぶヒヨりましたが、ここで帰ったらまた振り出しに戻ってしまう。負けずに説明しなければ。

 

「えーと…夫と結婚して3年になるんですが、一度もセックスができなくて…」

 

「だから、セックスができないって何?お互いする気がないってこと?」

 

あ、なるほど。

一口に「セックスができない」と言っても、色々状態があるってことか!

 

「試みても挿入ができないんです!!入れようとしても痛いんです!!」

 

元気いっぱいに私が答えると、

 

「…というか。そういう話は、女性の口からではなく、男性のご主人の口からするべきかと思いますが」

 

あ、たしかに、そうですよね。

すみません。おっしゃる通りですね。

私も夫もデリカシーなかったですね。

それで先生、お怒りだったのですね。なんというか…紳士的な気遣いですね。

 

夫にバトンタッチしました。改めて夫から経緯を説明。

4年間付き合っていて、結婚して2年。一度も挿入ができたことがないこと。男性器の挿入どころか、指の一本すら痛いということ。

夫の口から「妻は下半身どころか、胸も痛がるので正直触るところがない」とまで言われて

 

(む、胸は関係ないでしょうが…)

 

とちょっと恥ずかしい秘密を暴露されました。

まぁ未完成婚で来ていること自体もだいぶ恥ずかしいのですが。

 

「なるほど。奥さんにお聞きしますけど……行為の際は濡れますか?」

 

「はい!濡れます!」

 

なんつー質問に答えているんだとは思いながら、ある程度覚悟していたのでサクサク元気いっぱいに答えると、お医者様はまた困惑顔で、

 

「というか…やはり女性のデリケートな話なので、女医の先生に診てもらえば、そういうことも具体的にお聞きできるのですが…」

 

あ、そうですよね。

すみません、ほんと、おっしゃる通りですよね。

自分の都合ばかりを考えて、お医者様側のことを考えてなかったですね、私。

そりゃお医者様だって、いくら婦人科医とはいえ女性の性事情を赤裸々に聞かされても困っちゃいますよね。

自分が聞かれても平気だからって、聞く方が平気とは限らない。ほんとデリカシーなかったですね。

 

そんないたたまれない気持ちになりながらも、問診は続きます。

 

「事情はわかりました。では、さっそくですが、膣に異常がないか内診をします。ご主人は一度、診察室の外に出てください」

 

うっ、きた…。やはりきた。

ついに恐怖の瞬間がやってきました。

覚悟していたとはいえやはり怖い。

しかし診てもらわないことには何も始まらない。仕方ない。

 

「では…お尻の方から見ますね」

 

「……おしり?」

 

「はい。肛門から機械を入れて、エコーで内側を確認します」

 

お し り !?

 

 

私は無知でした。

妊婦さん達が幸せそうに見せてくれるエコー写真。

あれをお尻から入れて撮っているのだとは、まったく、露ほども知りませんでした。

 

予想すらしていなかった私は、突然膣からお尻に移った矛先にびびりまくりましたが、ここまで来て後には退けません。

考えようによっては、何かを通したことのない膣よりも、日常的に固形物(すみません)が出入りしているお尻の方が許容範囲が広いのかもしれない。

 

「お願いします!!!!」

 

私はついに、友人から聞いていた「産婦人科の不思議な椅子」に腰をおろしました。

 

 

 

次回、いよいよ内診です。