売れる歌手の声には、独特のクセがある。

一番わかりやすいのは、ブリトニー・スピアーズ。

アニメの声優さんにもなれそうな独特の音と響きを持っています。

そして、同じ声の人が出てこない。

唯一無二のクセのある美声です。

クリスティーナ・アギレラも、まるで男性のような「鬼の声量」とライオンのような響きがあって、これまた似たような後続の新人が出てこない。

メーガン・トレイナーの声も、一度聴いたら忘れない。

違う曲を歌っていても、すぐに彼女の声だとわかる個性を持っています。

日本で言ったら、天童よしみと美空ひばり。

すぐに声の主を当てられるほどにはっきりとしたクセのある美声です。

クセがあると言っても、人の耳に心地よく響くクセの持ち主である必要があります。

そういう人で、尚且つ歌が上手いと「息の長い売れる歌手」になれるのだと思います。

歌がすごく上手いのに売れない歌手がいますけど、声が普通でクセがないことが多い。

癖になるような「声のクセ」がなく、中毒性がないのです。

クセは個性でもある。

整形美人が皆同じような顔に見えるのも、その人固有の「パーツの癖」を消してしまうからでしょう。

中毒性のある癖のある顔の方が、魅力につながることもあるのです。

確か、漫画の「ブラックジャック」にそんな話がありました。

凄腕の技術をもって、絶世の美女に整形してあげた女性がブラックジャックに好意を伝えると、

「自分はあなたの元の顔が好きだった。」と言って去っていくという話です。

天然の顔には、どこかバランスの崩れたところがあり、そこから魅力が滲み出ていることも。

「ちんまりと可愛い丸い鼻が好き」とか、「一重の切れ長の瞳が好き」とかね。

そういう個性を消してしまうと、割とどこにでもいる美人になって、途端に個性を失うのではないでしょうか。

だから、バランスが崩れていてもそれは「魅力的なクセ」になりうるのです。

Dua Lipaという歌手もそんな感じがします。

最初はモデルを目指したというくらいに美しい見た目をしていますが、よく顔を見ると、ぽってりとした唇や、涼しげなアーモンド・アイという「クセのあるバランス」を持っています。

それらが、他の誰でもない「Dua Lipa」の個性として輝きを放っている。

そして、その歌声も、鼻にかかったようなスモーキーな感じの美声で、これまた「魅力的なクセ」になっているのです。

彼女の声も、「中毒性のあるクセ」を持っていますから、息の長い歌手になるでしょう。

今年の11月に来日公演をするそうです。

生の声なら、更に中毒性のあるクセがわかりやすいかな。

どんな公演になるのか、楽しみです。

癖になるクセ