よくみれば
結構皺があるんだ
見飽きたその顔も
肩を寄せて
無意識に きみのにおいをかいで
胎児のような安心を得る
なにを飲む?
ちょっと迷っても
結局は いつも 頼むのはラテ
雑誌をめくり
この街路の風景を 眺めている
となりに きみがいる
いつもの ありきたりな日常
いつもの たいくつな時間
とおりすがる 娘の足には
正直惹かれるけど
ドキドキするような恋も
してみたいけど
僕の視点に気づき
ちょっとだけ とがめた 顔をするきみ
ごまかして 空を見上げる
でもね
この たいくつを手に入れるのは
どんな激しい恋をするより
ずっとずっと むずかしいことを
そして 手放したら 二度と
戻ってこないことを
ぼくは 知っているんだ
風が吹いてるね
たいくつな時間が
ぼくたちが
風景が
同化していく