ふくすけ2024~歌舞伎町黙示録を見てきた。

1991年が初演で4回目の上演。4回とも見た。

これまで脇ストーリーだったコオロギとサカエを掘り下げた脚本になってたけど、そこまで主役感は強くない。

1998年と2012年の2回ふくすけを演じてきた阿部サダヲがコオロギ役。やっぱうまいよな。

ふくすけ役は岸井ゆきの。

 

ふくすけはコオロギ/サカエ夫婦、エスダマス/ヒデイチ夫婦、ふくすけ、コズマ三姉妹を軸に話が絡み合って行く。

全体の構成や脚本、キャストが過去最高だったと思う。

エンディングのヒデイチのシーンはゾクゾクした。

 

初演時はやはり異常性みたいなのが際立ってた気がするけど、時代的に話や設定が追いついてきた感じ。

昔はもっと直接的な表現も多かった気がするけど、そこまで直接表現をしなくても伝わってきた。

松尾さんは昔から社会的弱者やタブーとされてきたことをディープに露悪的に掘り下げて行く話を描いてきたが、

その設定自体は世間的に認知されてきたので、タブーな感じではなくなってきたと思う。

例えて言うなら障害を持った人は昔なら悪意も性欲も持ってないはず、と言う見られ方をしていたけど、

そんなことはないのを今の人ならわかるはず。

 

劇場が歌舞伎町のTHEATER MILANO-Zaだったのもよかったね。

あの劇場、あまり好きじゃないけど、今回のはあそこ以外なかったと思う。

 

私自身が個人的に受け入れられないところは、マスとふくすけの最後のシーン。

これまでふくすけは男性が演じてきたのを今回は若い女性が演じたことで、私には少し受け入れがたいものになっていた。

ふくすけを岸井ゆきのが演じたこと自体は別にいいと思ったのだけど(実際うまいと思った)、最後のシーンだけはダメだった。

 

そこ以外は過去最高でした。