少しだけ大人になった。少しだけ成長した。
リンゴの皮も、前より上手にむけるようになったよ。

雪が降るのが楽しみで、雪が積もるのが楽しみで、
冬が一番だいすきで、

そんなわたしには、この町は少し暖かすぎる。

ねぇ、アリス。
あの町で、あなたは何を思っているの?
ねぇ、アリス。
あの町で、あなたは誰に出会ったの?

もう一年も前なのに、まるで昨日のことのよう。
鮮明に、思い出せるから不思議だね。


夢があるって笑っていたわ。わたしも負けじと微笑んだ。
その指先が、真っ白な雪に触れて。
ふと気が付くと夢の中。わたしのそばにアリスはいない。
夢から覚めて、暗闇に一人きり。アリスの声が、胸に蘇る。

わたしがいなくても。

わたしがいなくても・・・・・


ねぇ、アリス。
あなたは今、何を思っている?
ねぇ、アリス。
もう少ししたら、あの町へ帰るわ。汽車に乗って、白い町を目指すの。


深呼吸して、また目を閉じる。
夢の中、またアリスの声が聞こえてくる。

すぐにでも会いに行きたい。

でも今は、行けない。