だいすきな人が、言った。
時間と空間も越えて、あの頃のあなたに逢えたらいいのにと思った。
ううん、きっと逢えるんだね。あなたがそれを教えてくれた。
あなたと同じ空間にいる、そのことが何よりも嬉しくて幸せだと、心から感じていたあの頃。
そうしてあなたとともにいるその瞬間でさえ、ビデオのように、写真のように、
テープレコーダーのように保存しておくことができたらいいのにと思った。
大好きなあなたは、いつでもあの場所にいて、いつでもわたしに頬笑んでくれるから。
愛があるから大丈夫だよ。
そう言って、目を閉じた。
あの頃の淡い思い出が、一枚一枚大切な花びらになって、
今日もまた、この小さな胸の中で咲き乱れる。
ああ、あなたがいるのね。ならばそれだけでいいと思った。
深い深い森の中を、静かに舞ってゆく蝶。
迷わずに、その谷を抜けて進んでごらん。光の差す方へ。
何もこわくないんだって、教えてくれたのはあなただった。
たとえわたしが消えてしまっても、あなたはわたしの中でずっと生き続ける。
この手のひらから、七色の花びらが舞ってゆく。
風に乗って、あなたのもとへ届いてほしい。
赤。黄色。青。紫。桃色。空色。橙。
やさしい風に乗って、はげしい風に乗って、あなたのもとへと飛んでゆくの。
何も、何も言わなくても。この想いはこの胸にある。
何も、何も言えなくても。
あなた。あなた。
その笑顔を、なによりも大切な笑顔を、ずっと奪わないでね。
胸の中で、何度も繰り返す言葉。
それは誰にも言えない言葉。
誰にも明かすことのない言葉。
あなたにさえ、告げることのない言葉。