車の運転

 

車の運転はアメリカ生活では必須だ。一応、この辺りには公共交通機関のバスがあるのだけど気軽に普段使い出来る様なシステムとは思えず…

 

昔は子供の学校の送り迎え、子供がお友達と遊ぶにしても送り迎え、習い事をするのも送り迎え、バイトをするとなれば、またまた送り迎え…と子供達の為の専用運転手だったから、毎日、車を運転していた。

 

娘達が大学に進学したら、ミニバンに荷物を詰め込んで寮の引越しの手伝い。毎年、高速を2時間半ぶっ飛ばして、引越しして、また2時間半かけて帰宅。夫は激務、殆ど出張だったから、私は強くなった。

 

で、最近めっきり運転しなくなった。病院に行く時くらい?買い物は夫と一緒だから、夫が運転するし。

 

最後に高速にのったのは、いつだろう?この辺り少なくて3車線で、6車線の所も多い。車線変更、怖すぎる…

 

 

怖いと思い始める事は不便な事だけど、シニアにとっては自分のキャパシティを認めていくという面もあるから必要な事でもあるかもしれない。

 

帰国する度に、私は父の運転技術の低下に気がついて何度も免許を諦める様に懇願していた。地方自治体は高齢者にタクシー券やバス回数券を支給していたけど、父にとっては運転することは楽しみでもあり自由のシンボルの様なものだった。しかし、それは年寄りの我儘というものだ。事故でも起こして人を傷つけたらどうするの?

 

ある日、父は免許の更新に行って返納して帰ってきた。更新に行ったはずなのに、どうして返納に至ったか自分でもわからないと言った父。

 

長く鬱を患っていた父は判断能力もかなり低下していたのだろう。可哀想ではあるが、私はほっと胸を撫で下ろした。

 

皆、歳を取る…私の順番が来ている。