2023年3月読書まとめ(リンクのみ)

 


3月のお気に入り本

 

■常識のない喫茶店(僕のマリ)

「他人を変えるのは難しいから、わたしは自分が変わることを選んだ。」この一文がすばらしく、印象に深く残った。店員に無礼な態度をとる客は出禁な喫茶店で働く20代女性目線のエッセイ。客の観察日記としては、迷惑客への辛辣な部分と、良いお客様との交流や温かい目線がバランス良く、お店の素敵な雰囲気が伝わってきた。この喫茶店に行ってみたいな、ここに行けなくても個人経営の喫茶店に行きたいな。と、思わせるエッセイだった。客の恋愛の定点観測がすごく面白かった。

 

 

 

 

■グッゲンハイムの謎(ロビン・スティーヴンス 著/シヴォーン・ダウド 原案)

前作から3ヶ月後のNYを舞台に、テッドとカットとサリムが、絵画盗難事件の謎を解く。テッドの考え方は、彼の生きづらさを感じさせながらも、前作以上の成長ぶりで、周囲の人を慮る姿を度々見せたりするので、感動した。本作では、謎解きにサリムも大活躍しており、そこも良かった。作者のロビン·スティーヴンスが、亡くなったシヴォーン·ダウドの雰囲気をしっかり描き出していて、でも、更に明るい雰囲気がましましな感じで、こっちも良いな~と思った。

 

 

 

 

■ぼくのいえにけがはえて(川北 亮司)

いえに毛が生えてしまった!さてどうする?床屋さんが様々な人に電話をかけ、協力してもらう。床屋さんの発想力がすごい。そして、手伝ってくれる、消防車やおすもうさんも一生懸命協力してくれるのすごい。奇想天外で面白かった。

 

 

■余命一年、男をかう(吉川トリコ)

女性がお金のために金持ちの男のところに嫁ぐ話は数多いけれど、男女逆になるとこんな感じなのかな···。病気を知らされた唯に悲壮感がないのでからっとしている。ホストの瀬名も明るくて、何より良いやつなので、読んでいて安心。ホッとするラストで、泣けた。こういう展開は好き。