2023年1月読書まとめ(リンクのみ)

 



 

1月のお気に入り本

 

■コワい話は≠くだけで。1(影山五月/原作:梨)

実話怪談をマンガにしている風だが、この作者の作風からして、全体を通しての仕掛けが今後なにか出てくるのでは…?と、思えてしまう、不気味な余韻がある。1巻で、それぞれ不気味な話が複数+マンガを描いている人の身にも?的なにおわせだけだが、単話でもそれなりにホラーしている。完結してから真価がわかる感じかな?

 

 

■99%離婚 モラハラ夫は変わるのか(龍たまこ)

ネットでオススメ出てきたので読んだ。モラハラ夫の話なんだが、モラハラ夫が自分でNoMAという会を見つけて、自分に向き合って変わっていく過程が描かれており、非常に分かりやすく、良くできた本だった。「女性は自分がやっていることが加害だと自覚しやすいのに対して、男性は(略)自覚しづらい」など、実際の現場のコラムも興味深く読んだ。

 

 

■名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件(白井智之)

人民寺院の集団自殺事件という実際の事件をベースにしたフィクション(実際の事件がベースのフィクションは大好物)。これでもかというくらいの数の推理が次々に語られ、後半の怒涛の展開。すごい。立場によって成立する推理がそれぞれ用意されているなど、なぜ複数の推理が出てくるかの理由も語られているので納得感もある。ネタバレはだめなタイプの作品なのだけど、MRCのネタバレトークショーは面白かった。

 

 

■城の少年(菊地秀行 著/ Naffy 絵)

菊池秀行先生による物悲しい、孤独な少年と流浪の少女の出会いと恋の話。広大な城でたったひとり暮らす少年。彼はいったい何者なのか?物語の中にヒントは散らばっていて、少しずつ見えてくるものがある。吸血鬼のなりそこないだったさらわれた少年は、ロマニーの少女に魅せられて吸血鬼となり、追われる身になってしまうが、少しの間戻ってきた彼女と時を過ごす事ができたようで良かった。それでもなお寂しい。子供の絵本コーナーにあったけど、大人の方が楽しめそう。

 

 

■遠い町から来た話(ショーン・タン)

ショーン·タンによる、幻想的な絵と短編。独立して出版されている「エリック」をはじめ、様々なテイストの作品が並ぶ。「備えあれば」「棒人間たち」「底を流れるもの」「葬送」は社会風刺もあった気がする。「名前のない祝日」は、ちょっとやだなw。「ペットを手作りしてみよう」「遠くに降る雨」はコラージュっぽくて、ページが楽しい。少年の日の冒険、おじいさんとおばあさんの冒険など、ノスタルジックさもあって、印象的。

 

 

■たべてあげる(ふくべあきひろ)

めっちゃコワイ!なかなか可愛らしい男の子の表紙と思ったけど、救いのないラストに戦慄した。本当にコワイ。好き嫌いの多い男の子の前に、小さい自分が出てきて「たべてあげる」っていうから、嫌いなもの全部あげてたら、いつのまにかその子が自分よりも大きくなってしまって···。後悔して泣いてるけど、救われなかった!なんてラストだー(泣)