これは以前に友人と考えた小説です。



友人のブログにすでにアップされていたものですが、

友人がブログを止めるにあたり、こちらでアップすることにしました。




つたない小説ですが、良かったらお付き合いくださいませ。



こちらは予約投稿となります。

0時、12時に更新予定です。






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



あれから3日たったがユチョンは帰ってこない。

翔太クンの家にもいないようだ。




ボクは昨日ミュージカルの関係者に挨拶にいき、

明日より本格的に練習に参加することとなっていた。

ユチョンのことを尋ねてみると、

『 彼はここで仕事をする気はないようだ 』 と聞いた。

どうやら、ユチョンは今回の件を辞退しているようだ。




・・・じゃあ、ユチョンは一体どこに・・・?




ボクは今日はパン屋の仕事も休みをもらい

ユチョンを探しにいくことにした。











昨日、ボクはユチョンの店に行った。

この前追い出されたばかりなので中に入ることを躊躇していると


「 ・・・・あの・・・君・・・ 」


と声をかけられた。 この前ボクを追い出した店員の1人だった。


「 この前は悪かったね、乱暴なことしちゃって。

 あの時は騒ぎで思い出せなかったけど・・・

 間違ってたら申し訳ないんだけど、君、もしかしてジュンスくんだろ? 」


「 ・・・はい・・・そうですけど・・・何故ボクの名前を・・・? 」


「  やっぱり!! ユチョンからちょっと聞いたことあったから・・・。

  今日もユチョンに会いに来たのかい? でも、ユチョンはいないよ。 」


「 いないんですか? どうして? 」


「 いや、オレもよくは知らないんだけど、なんでも1週間ほど休みを

 もらってるらしいよ。 君、知らなかったの? 」


「 ・・・・・・ 」


「 あ・・・ごめんよ。 嫌味いったつもりはなかったんだけど・・・・

 君にさ、頼みたいことがあったから。 」


「 ボクにですか? 」


「 うん、ユチョンに渡したいものがあったんだけど、休みで当分来ないから、

 君から渡してもらえないかい? 」


「 いいですけど・・・ 」



でも、ユチョンはどこにいるんだろう・・・




「 ユチョンってさ、店であまりしゃべらないっていうか、誰とも仲良くしようって

 気がないみたいでさ。 いつも1人静かにいるんだよ。 」



ユチョンらしいや・・・。



「 この前さ、店長がユチョンを呼んでたんで、オレが呼びにいったんだよ。

 そしたらさ、ユチョンのカバンにひっかかちゃってさ、中味ぶちまけちゃって

 中のもの踏んづけちゃったんだよ・・・。

 そしたらさ、あいつめちゃくちゃ怒ってさ。 ビックリしたよ~。 」



ユチョンが怒るなんて・・・珍しい・・・。



「 何でも、とても大切にしているものだったらしくて・・・

 オレ、踏んづけてチェーン切っちゃったから修理して返すからって

 預かってたんだ。 そのときにさ、少しだけ話したんだ、君の事。 」





・・・・・・・



「 君のこと話すユチョンは本当に嬉しそうで、コイツ、こんな顔も

 するんだな~って・・・よっぽど君の事好きなんだなって思ったよww 」



・・・ユチョン・・・



「 あ、そうだ、その壊したものってこれなんだけど・・・。

 渡しといてくれるかな? オレ、もうそろそろ仕事に戻んなきゃ

 いけないから。 よろしくな。 」


そう言って、ボクの手にそれを渡すと、足早に店の中に戻っていった・・・。



ボクは手の中のものを見た。


!!!!!


それは、ボクがユチョンに渡したキーホルダーだった。




持っていてくれたんだ。

買ったときはあんなに嫌がっていたのに・・・・。

ユチョン・・・素直じゃないんだから・・・・







『 口に出した言葉全てが真実じゃないかも知れないわよ? 』

パン屋の奥さんの言葉が思い出された。







ここにもいない


あと、ユチョンが行く場所といったら1つだけだ。


そう、ボクらの思い出がつまったあの場所・・・。




僕らが18まで住んでいた養護院。

ボクは今からそこに行こうと決めていた。









カバンにキーホルダーを2つ入れ

ボクは養護院へと向かうバスの乗り込んだ。




ユチョンは本当にいるんだろうか?

いや、今はとにかく探すのみだ!







1時間ほど乗りついたところは懐かしい風景が広がっていた。

ボクが降りたと同時に帰りのバスが発車するのが見えた。

あのバスでボクらもここを出たんだっけ・・・・

そんな思い出が蘇っていた。




15分も歩くと、養護院が見えてきた。

園長先生はボクを見ると


「 ジュンス・・・? ジュンスよね? よく訪ねてきてくれたわね。 」

と、嬉しそうにボクを出迎えてくれた。



園は子供たちの声で賑やかだった。


ユチョンのいる様子はない・・・

来てないみたいだな・・・。




「 相変わらずですね、ここは。 」


「 ふふ・・・。そうでしょう? 今も昔もここは変わらないわ。 」


ボクには何だかそれが嬉しかった。


「 ジュンスは何だか大人になって・・・。 見違えるようね。 」


「 そんなこと・・・ 」


そこに子供たちがやってきた。


「 ねぇねぇ、お兄ちゃんも何か持ってきてくれたの? 」


「 え・・・? 」


「 これ、お兄ちゃんに失礼ですよ、ご挨拶なさい! 」


はぁい、と困った顔をしながら、口々にボクにあいさつをしてくれた。


「 ごめんなさいね。 ここではなかなか好きなもの買ってあげられないでしょ? 

 だから、プレゼントもらって調子にのっちゃったみたいで・・・。 」



プレゼント・・・? 誰から・・・・・!!!!



「 ユチョン、ユチョン、ここに来ましたか? 」


「 ええ。 子供たちにプレゼントを持ってきてくれたの。

 ユチョンはよくお菓子やおもちゃを持ってきてくれて・・・

 子供たちも大喜びなのよ。

 でも、ユチョンはさっき帰ったわよ。 」




ユチョン・・・・そんなことしてたんだ。

たまに黙っていなくなってたのは、ここに来るためだったのか・・・。




「 あの子は表には出さないけど、根は優しいから・・・。

 ただね、口に出したりしないから誤解されやすいでしょ?

 それがずっと心配だったわ・・・。 」



そうだ・・・昔からそれで、よくトラブルになったっけ・・・




「 ユチョンがどうかしたの? あなた達、うまくいってないの? 」

園長先生は心配そうな目でこちらを見つめている。



「 いえ。 実はユチョンとうまく待ち合わせできなくってww

 今回はボクも一緒にプレゼント配ることになってたんですけど

 おいてきぼりをくらっちゃたんですww 」


「 ・・・そう。それならいいんだけど・・・

 ユチョンって昔からあなたにしか心を開かなかったから・・・ 」


「 ボクとユチョンはうまくやってますよ。 安心してください。 」




ひとしきり子供たちとも遊び、ぼくは園を後にした。



園長先生が最後にこう言っていた。


「 今度は2人でいらっしゃいね。 」


ボクは黙ってうなずいた。








バスの中で携帯がなった。

翔太クンからだ・・・。


『 明日の集合時間は10時より11時に変更 』

『 了解 』







ボクの心は落ち着いていた。


ユチョンには会えなかったけど、何だかユチョンのことを

信じられるボクがそこにいた。



ユチョンは変わっていない・・・。


今度会ったら、きっと大丈夫。

ちゃんと話せる・・・



そんな想いがふくらんでいた・・・。





・・・⑮へ続く・・・



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