屋根裏って覗いてみた事ありますか?
ロフトなんて呼ばれているしゃれた部屋みたいなのではなくて、本当に本物、正真正銘のあの屋根裏のことです。
真っ暗でなんとなくジメッとしていて、蜘蛛の巣があちらこちらにぶら下り、ネズミか何かのフンなんかがボロボロ落ちていそうな、そんな陰気なイメージがありませんか?
どうして私が急に屋根裏の話なんかを始めたのか、あなたはきっと不思議に思っていることでしょうね。
えっ?いえいえ、そうじゃありません。私は建築関係の職に就いているのではありませんよ。
仕事で始終屋根裏を覗いているという、そんな話ではないんです。
あなたとはせっかくここでお知り合いになったことだし、最近の私の一番のお楽しみを聞いてもらおうと、さっきからずっと話し出すきっかけを探していたところなのです。
実はね、屋根裏なんてものは案外、からりとしている所なんですよ。
温かい空気は上に昇るものだし、夏なんかは暑くてとても上がっていられないでしょうが、乾燥していてそりゃあもう快適なもんです。
まあ、いくらか蜘蛛の巣もあるにはありますが、暗くて虫が少ないせいなのか、思っているほどでもないんですよ。
滅多に掃除などしやしない、ビールの空き缶やらコンビニ弁当のプラスチックやらが散らばっている私の部屋なんぞに比べたら、かえって清潔に見えるかもしれません。
いったい、屋根裏を覗いてびっくりするのは、思ったより小奇麗だという事だけではありません。
部屋の中から見上げると分からないものですが、天井というものはあちらこちらに細い隙間や小さな穴なんかが開いていて、そこから漏れ出る明かりが、暗い屋根裏の木の骨組みをあちこち照らす様は、一種神秘的な、なんとも言えない雰囲気を持っていて、私でなくてもなんとなく妙な気持ちをそそられるのではないかと思います。
それは、ほんのささいな好奇心、悪意のない、ちょっとしたいたずら心から始まったことでした。


