東京公演5回観劇のまとめ

 

 

浦野すず/北條周作/白木リン/水原哲/すずの幼少期/黒村晴美

 

①昆/海宝/平野/小林/澤田/大村

②大原/海宝/桜井/小野塚/桑原/鞆

③昆/村井/平野/小林/桑原/増田

④大原/海宝/桜井/小野塚/澤田/鞆

⑤昆/海宝/平野/小野塚/澤田/鞆

 

感想はあくまでも主観です。同じ回を観ていても、人の感じ方はそれぞれ。

私が抱いた印象と逆の感想を見かけることもあります。

 

水原哲

初回観劇が初めましての小林唯さんで情報真っ新状態。冒頭からほぼ全員で歌う場面でスコーンとよく通る声と明瞭な歌詞が聞こえてきて、流石!と思いました。ただ入湯上陸で家の主を前に寝転んだことに目が点。「水原を見たら全速力で逃げろという女子の掟」にも?だった。水原を演じながらも品の良さは隠しきれなかったっぽい。

四季時代をご存知の方と話をしていたら、もともと海宝くんに憧れがあり、まさに初共演だったので緊張していたのかも!?と。日本人役を最初に観てしまったせいか四季で演じられていた様々な役が全く想像つかないのですが、今後のご活躍が楽しみです。

小野塚隼人さんはお芝居がとても良かった。私が思う水原哲にピタリとハマる。口調はぶっきらぼうでも心が救われた感を滲ませた「こんな絵じゃ海を嫌いになれんじゃろが」が涙を誘いました。入湯上陸場面の快活さ大胆さもしっくりくる。

 

タイプ違いの海宝×小野塚は好対照な組み合わせだったと思います。


白木リン

すっきりとした清涼感のある味わいの桜井玲香さん、儚くてふくよかな甘みが広がる平野綾さんというところでしょうか。どちらも美味しい。歌は平野さんの方が余裕があったかな!?

周作とのことは、桜井リンは過去の良い夢だったと割り切っているように見えたのに対し、平野リンは甘い記憶として今も大切に思い返しているように見えました。

桜井さんは無表情だと近寄りがたい美人さんだと思うのですが、笑顔がとても華やか。花祭りの場面、家族を探してキョロキョロしている周作に先に気がついて、表情が固まったあと、今度は自分に気がついた周作に微笑んでお辞儀をし立ち去るリン。桜井さん、本当に美しかったです。

残念ながら平野さん回は下手席ばかりで再会時の表情が見えずでした。

 

海宝周作さんとはどちらがしっくりくるのか!?こちらもご意見様々ですね。舞台では描かれない過去も、それぞれこういうところに惹かれたのかな?と、どちらも想像出来る。

 

北條周作

村井良太さんはポスターのカーキ帽子が似合い過ぎだと思う。村井くんで観たら、この作品がすずの物語だということがよくわかりました。海宝直人さんだとどうしても目線が引っ張られる。

今回は個性の違いで繊細な違いは出るにしても、役としてはお二人全く同じ演出を受けたのだろうと思いました。強いて言えば、村井周作さんの方がリンとのことで傷が深く感情を押し殺してきたのかなと感じたくらい。

村井周作さんも良かったのですが、改めて海宝くんの声もイントネーションも間も歌も全部好き!と思ったただのファンでした。

 

浦野すず

裏切らない昆夏美さん。歌声はもちろん、お芝居がホント良い。「居場所」がわからなくなってしまったすずの見え方がブレると物語のテーマ半分ないみたいなものですから…。昆すずの「うちは恥ずかしかった」の一言のセリフで感じられる申し訳なさと”穴があったら入りたい”身の置き場のなさ。北條家に居る時の浮いた感じと、浦野家で過ごしている時の安心感。『マチルダ』の時も思ったけど、その役が抱えている事情が見えてくるような役作りが的確。昆すずさんの♪醒めない夢は、こちらもとても幸せな気分になりました。

大原櫻子さんは桜井リンさんと丁寧に声を合わせていた♪スイカの歌リプライズが上々でした。すず×リンは2ペア固定観劇になってしまったので、違う組み合わせも見てみたかったです。

 

黒村径子役の音月桂さん。助演女優賞(何の!?)差し上げたい。 一歩間違えると嫌な小姑になりかねないところですが、絶妙だったなと思います。妹がいない長女の径子さんは、弟よりさらに年下のすずとどう接してよいか戸惑いもあったのでは(推測)自分で選んだ道を歩いてきたと自負があるからこそ、流されてきたように見えるすずは歯がゆくもあったでしょう。

♪自由の色の素晴らしさは言わずもがな♪モガとモボのジャジーな感じも素敵でした。

 

もうおひとり印象深いのが、浦野すみ役の小向なるさん。

祝言の日に隣組のおばさまたちに頭を下げていた姿が可愛かった。小向さんの柔らかなおっとりした雰囲気がどの場面でも温かくて、この優しい妹さんあってのすずだったと思いました。

 

何役も演じていたアンサンブルさんたちの中でも、周作の子供時代を演じた小林諒音さんは今後も注目していきたい。最後の♪この世界の片隅に とても綺麗な声の女性は座敷童の麦嶋真帆さん?? ベテラン勢から若手まで粒ぞろい、お一人お一人が愛おしくなる作品でした。

 

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公演が終わった週末、by myselfで井上芳雄さんが♪この世界の片隅に を歌唱びっくり 

こうして単独でも歌われて、広まっていくと良いですね。

いつか海宝くんのソロバージョンも聴いてみたい飛び出すハート