『アルジャーノンに花束を』 @天王洲 銀河劇場

 

原作:ダニエル・キイス
脚本・作詞・演出:荻田浩一

 

出演:
チャーリィ・ゴードン    矢田悠祐 
フェイ・リルマン    蒼乃夕妃
ノーマ(現在)   皆本麻帆
ノーマ(回想)   吉田萌美
ニーマー教授   小林遼介
バート・セルダン  和田泰右
アルジャーノン  長澤風海
ストラウス博士   戸井勝海 
アリス・キニアン  水夏希

 

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週末は矢田くん初主演の『アルジャーノンに花束を』も観劇しました。

 

本当にプレッシャーだっただろうなぁと思います。

『王家の紋章』と恋ブロで、少し歌声を聞いただけでしたが、今回は主演。

歌も沢山あり、わりと歌えるし、好きな声だなぁと思いました。

あどけない笑顔も良いけれど、知能が高くなって、少しイライラしている時に眉間にしわが入る顔が男前。

 

前回の浦井チャーリーは、放物線を描くように、とても滑らかに自然に知能が低→高→低となった印象だったけれど、今回はちょっと違っていました・・・

 

役者さんの違いなのか演出の違いなのか。

前回も1回だけの観劇だったので、何がどう違うとまで分析できません。

 

でも、矢田くんは矢田くんのチャーリーで良いと思いました。

何より白い衣装を着てピュアさが出せる透明感は貴重。

 

 

他のキャストも一新されました。

 

長澤風海さんのアルジャーノン。小さくて動きに可愛らしさがあって、子ネズミって感じ。

アルジャーノンが登場すると、そのダンスについつい目が行きました。

 

アリス・キニアンは「先生」でもあり「女性」でもあり。

チャーリーが「かしこくなりたい」と望むなら、その願いを叶えてあげたい、でも、それが幸せと言えるのかどうか。水さんのキニアン先生からは、葛藤や不安、恐れや戸惑いが細やかに伝わってきました。

 

ニーマー教授の小林さんは歌が安心して聞けるし、戸井さんは博士もパン屋も父親も、温かい血の通った人でした。

 

フェイの蒼乃さんはハッチャけた役処ながら、嫌味のないキュートさ。

真面目なキニアン先生と自由奔放なフェイ。

ほっそりした水さんとしっかりした身体つきの蒼乃さん。

見た目も全然違うので、チャーリーの気持ちや生活の変化が女性にも表れているようで興味深かったです。

 

この作品を見ると、色々考えさせらるところはあるのですが、もし、チャーリーに対する母親の理解と接し方が違えば、両親と妹と家族バラバラになることなく、温かい家庭で過ごせたんじゃないか、「かしこくなりたい」なんて言わずにそのままのチャーリーで幸せに過ごせたんじゃないか、と今回もそこに思いが至り。

 

そうであれば話は始まらないわけですが、そこが一番辛くなります。