コテツ | 白密 黒密

白密 黒密

☆。.:・*☆。.:・*☆*・:.。☆

うちには 2008年の6月まで 16年一緒に居た 雑種犬 コテツ がいた。


白密 黒密

しし丸をお迎えした 3月末、 『子犬は可愛いが 可愛がるのはコテツに悪い』てな気持ちが家族全員にあった気がする。実際父は今もそう思う時があるという。

多分 長年犬を飼った人間にしか解らない感情だろう。




私はしし丸を溺愛していても コテツのたくさん愛していたのにはかわりはないし、コテツの分ももっと可愛がりたいと思っている。 ぶっちゃけコテツの事を忘れている事もあるが。


うちの玄関にはまだコテツの写真が飾られている。

コテツは私達 家族に“のみ”忠実な犬であった。


コテツは N村動物病院 開院以来の問題犬であった。N村動物病院が開院した年とコテツの年齢は一緒だった事に 最近気付く。


かかりつけの獣医さんにはコテツもお世話になった。今はしし丸もお世話になっている。


コテツのしつけは怒る事で成り立っていた。 今は真逆。 本当にコテツには悪い事をしたなぁと思う。




コテツ 齢15歳の夏、じぃさん初の一人旅、隣の隣町で捕獲される。

家族で探したが 一人旅(脱走とも言う)から3日程度経っていたし、 もう耳も聞こえなかったから 老体に真夏の日差しは堪えるだろうともう殆ど諦めていた。




友達に 「 保健所に聞いた方がいいよ 」 と言われたので 母が色々な保健所に何度か電話したらそういった犬は捕獲されていませんと言われたらしい。

『最後にもう1回電話しよう』と最後に電話したところ、 『緑の首輪で、後ろ足が弱った老犬が捕獲されている。』コテツは運良く捕獲されていた。


散歩コースとは逆の町に 走って行っていた。 帰巣本能はもう使い物にならなかった様だ。

帰って来た時はダニだらけ、 ドロまみれ、 疲れ果てていた。




犬が居なくなった時 保健所に連絡をする事は 多分常識なんだろうが、いままで飼ってきた犬は脱走した事がなかったので知らなかった。 

その時友人が そういう事を教えてくれたのも、捕獲されていたのも。コテツは あたし達 家族と最後を共にする運命だったんだろうとそう思う。



それから約1年、その一人旅から帰ったコテツは老けこんだが、 私達 家族といつもの様に生活を共にした。


白密 黒密

最後は寝たきりになり 母と私が看病した 。

寝たきりになって約1週間後 父が帰宅して数分後に亡くなった。




コテツはあたし達 家族に“のみ”忠実な犬であった。

そして 立派な番犬であったので 「お父さんが帰ってくるまで家を守ったんやね」と思った。

コテツが亡くなった時、 不思議と悲しくはなかった。『おつかれさま』という気持ちであった。 




コテツが 亡くなって1年が経つ。本当は、この前のコテツの命日を忘れていた。
その位 今は しし丸に溺愛である。 

でも 私達は ずっとコテツを忘れる事はない。 

もう名前を呼ぶことは無い。しかし また 会える時を楽しみにしている。


Ayano