昭和５７年９月に山田線鵜住居駅で発行されました、｢鵜住居→１５０ｋｍまで｣の普通急行券です。

仙台印刷調製の券となります。

当時の山田線の普通急行列車は、鵜住居駅の隣駅の大槌駅には全列車が停車いたしましたが、鵜住居駅に停車した普通急行列車は釜石～宮古～盛岡間の急行｢リアス号｣１往復のみで、この券は｢１５０ｋｍまで｣の券となりますので、急行｢リアス号｣の盛岡までの急行券となり、鵜住居から盛岡以遠に直通運転する普通急行列車は運転されておりませんので、乗車駅に｢鵜住居｣が印刷された急行券は｢１５０ｋｍまで｣で、｢２００ｋｍまで｣と｢２０１ｋｍ以上｣の急行券で、乗車駅に｢鵜住居｣が印刷された急行券は設備されていなかったものと考えられます。

この券が発行された約２ヶ月後の昭和５７年１１月１５日の時刻改正で、急行｢リアス号｣は廃止となりますが、この時刻改正で山田線の普通急行列車の運転区間の見直しが行われ、これまで仙台発着であった急行｢陸中号｣が宮古～釜石～花巻～北上間の普通急行列車となり、この列車は鵜住居駅にも停車したため、鵜住居駅乗車の急行券は、方面を逆方向の釜石、花巻方面に変えて発売が継続されました。

券番は００５６６となります。

鵜住居～盛岡間の営業キロは１４９．２キロで、あと０．９キロ長ければ普通急行料金も｢２００ｋｍまで｣の料金が適用されたところですが、普通急行料金の｢１５０ｋｍまで｣の料金が設定されたのは、この急行券が発売される約５ヶ月前の昭和５７年４月２０日の料金改訂からで、この急行券は料金設定初日の昭和５７年４月２０日に００００１から発売が開始されたものと考えられ、約５ヶ月間に５００枚以上が発売されておりますので、１日１本だけの急行｢リアス号｣の盛岡までの発売でも、１ヶ月に１００枚以上、１日に３～４枚は売れていた事になります。

この急行券が急行｢リアス号｣の盛岡までの乗車で発売されましたのは、昭和５７年４月２０日から昭和５７年１１月１４日までの約７ヶ月間となりますが、先に申しましたように、昭和５７年１１月１５日からは急行｢陸中号｣の宮古～釜石～花巻～北上間の運転が開始されておりますので、｢鵜住居→１５０ｋｍまで｣の普通急行券は下車駅を北上に変えて継続発売されたものと思われます。

急行券 鵜住居→１５０ｋｍまで

急行券　鵜住居→１５０ｋｍまで