愛知県一宮市の設計事務所
菅野企画設計の川島です。
以前、伊豆の長八美術館をブログで紹介しました。
左官の名工であった長八が生まれ育った松崎町には、今なお左官技術が根強く息づいていて、街並みに特色を与えています。
街歩きで出会った左官作品をいくつかご紹介します。
長八美術館の前にある「鏝塚」と呼ばれる建物は、左官道具の「鏝」を奉るために建てられました。
その扉前の天井には、鏝絵で作られた龍がにらみをきかせています。
同じく壁には、鶴が描かれています。
松崎町には、重要文化財にも指定されている「岩科学校」という建物があるのですが・・・
その中の一室に、名工長八が鶴を描いています。
見比べてみると、同じ鶴でも臨場感や雰囲気が違います。
職人の個性が表れていて、手仕事ならではだなと思いました。
岩科学校バルコニーの天井にある「ランプ掛け」には、牡丹が描かれています。
ランプが灯されると陰影が出て、ひと味違う見え方になるのでしょう。
こちらは、民家の玄関先に描かれている波の鏝絵です。
松崎町は港町なので、海の波を表現したのでしょうか。
こちらも、とある民家。
街歩きをしていると「龍」の鏝絵をよく見かけます。
長八も、龍の作品を多く残しています。
街の至る所で見かける龍は、長八への憧れからなのか。腕を競い合っているのか。
こちらは、観光地になっている通りから数キロ離れた集落で見かけました。
切妻屋根の破風板を「なまこ壁」のように漆喰で装飾しています。
この街ならではの意匠です。
一人の左官職人が現代に語れ継がれ、刺激を受けた職人たちが腕を競う。
そんな風景に感動し、大変楽しい街歩きになりました。
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