佐藤ママに代表されるように、中学受験における親の最大の役割は子どもが勉強しやすい環境を作ることです。では一体どのような環境が、お子さんにとって「勉強しやすい環境」か。多くの人は、このような話になると「勉強場所はどこにしたら良いか」とか「勉強机はどうしたら良いか」といったことばかりを考えてしまいがちですが、大事なのはそこじゃありません。環境とは「親の習慣そのもの」「親の子どもへの向き合い方」です。

1 自信を持たせる。
2 テストの結果が悪くても落胆しない。
3 サポートに徹する。
4 すぐに結果を求めない。
5 無理をさせすぎない。

やはり大事なのは「自信を持たせる」です。指導医松下先生も自身の中学受験を振り返り、合格したのは根拠の無い自信のお陰と述べています。ベテラン精神科医が「自分の中学受験を振り返り、合格した一番の理由に「根拠のない自信」を挙げている」のは、特筆すべきことと言えるでしょう。2から5も大事ですが、やはり最も大事なのは「自信を持たせる」ということになります。
子どもに自信を持たせる際、最も大事なことは何でしょうか。すでに繰り返し述べました。覚えていらっしゃいますか。闇雲に「誉める」ことではありませんよ。もし今ここで「誉める」が真っ先に頭に浮かんだ人、注意してください。最も大事なのは、
子どもを注意深く観察し話を聞くことです。子どもが話しやすいムードを作り、親は寛容に受容する。コメントも評価も必要ありません。うんうんといって聞く。子どもを理解よう理解したいという姿勢を示すのです。親がそうすることで、子どもは親が自分に向き合ってくれることを実感し心強くなる。そしてそういう親に感謝の気持ちを持つ。親への感謝の気持ちが自信の源泉と言っても過言ではありません。

もう間違えてはいけません。やたら誉めちぎることで自信が簡単に持てるようになるなら苦労しません。実際、我が身に置き換えて考えれば判ろうものです。職場の上司に口先だけで誉められ自信が持てるようになるでしょうか。それより、上司が自分のことをよく見てくれ親身になって話を聞き「やれる」と背中を押してくれる方が、よほど心強く前向きな気持ちになるというものではありませんか。自信というのは打算の中で育まれるものではないのです。