令和の精神科に訪れる若者の多くを悩ませているのが親子関係です。それには当然両親の関係も含まれます。親の関係が険悪でしょっちゅう喧嘩を繰り広げていたりすると、子どもは自己否定や自分を責めたりするようになります。なので「夫婦喧嘩くらい」と軽く考えてもらっては困るのです。夫婦喧嘩は子どもにとっては猛毒です。今すぐやめてください。もし喧嘩をするなら海辺にでも行って、子どもやご近所の迷惑にならないようにやってください。子どもは親の不仲を親が思う以上に深刻に恐怖に受け取ります。そして自分を押し殺し「いい子にしていればお父さんとお母さんは仲良くなるかもしれない」と考え、子どもの健全な成長発達に必要な甘えや我儘を一切言えず、まるで大人のように振舞う子どものになってしまいます。これは偉くも凄くもありません、悪い兆候です。後に大爆発する危険性が高いのです。
今の若者が口を揃えて言う「人目が気になる」の正体は「親の目が気になる」から始まっています。親に叱られたり責められたりぐちゃぐちゃ言われないようにするため、四六時中、神経を張り続ける習慣が身についてしまった結果です。それに思春期以降、所属社会の人目が加わり、次にSNSの不特定多数の目が加わっていく。もはや病的となった「人目を気にする」は子どもの注意力集中力を削ぎ、学業もスポーツも成果がでにくくなり、不安に振り回され情緒不安定になります。この状態になると中学生でも精神科に訪れるようになります。しかし彼らの症状は「統合失調症」の幻覚や妄想とは違い薬でどうにかできるものではありません。ところが経験の浅い精神科医にかかると、病気と診断され、大量の薬を投入され、日中の眠気がひどくなるなど、かえって支障が出るようになり、成績がどんどん下がってしまいます。なので夫婦関係こそこの夏休みに改善して欲しいのです。子どもの健全な成長発達に貢献してください。そのためには互いに「話を聞く」を重ね、相手の言い分に口を挟まず、まずは受け入れましょう。この「受け入れ」こそが問題解決への最初のステップです。「嫌い」とか「生理的に受け付けない」とか子どもみたいなことを言ってないで、互いのどの部分を修正すべきかを明らかにするのです。