表題に関するひろゆきさんの動画です。早速結論を引用します。

頭の悪い親は子供をずっと自分より下に見ていて、自分の命令に従っていればじゅうぶんっていう教育をするのに対し、頭の良い親は、自分を超えて欲しいと思っていて、いつか自分を超えられるような教育をする

いかがでしょうか。私の考えを申し上げます。子育てというものの本質をわかっている親は、子どもを自立させるための教育をするのに対し、わかってない親は、子どもを死ぬまで手放さない教育をする、自立をむしろ邪魔します。後者の子どもはほぼ間違いなく精神の具合を悪くし、精神科に訪れます。生物の道理や摂理を無視しているのですから、そりゃ具合悪くなりますよ。

ひろゆきさんの言う「頭の悪い」を私風に言い換えると、「こういう考え方や行動様式の人が親になると子供が不利益を被る」となります。例えば、比較思考の強すぎる人とか、唯一の正解を求めすぎて自分の頭で考えない人とか。令和の子どもが生きる社会は、私たちが子どもの頃より、二極化が極まり、より複雑で、その傾向はどんどん強まっているので、考える力や選択決断する力を育てる教育は不可欠です。その能力が不足すると人は不適応を来たしたちまち精神の具合を悪くします。何故なら考える力や判断力がないと、色んな問題に自分で対処できず問題が山積みになるからです。

子どもの考える力や選択決断する力を育てるには、そもそも親がそのようなタイプであることはもちろん、子どもを信じてあげられる親でないと困ります。子どもを信じられない親は、ひろゆきさんの言う「頭の悪い親」同様、子どもを支配強制強要し、出鱈目な子育てや教育をします。信じてないから自分の思い通りに操作しようとする。滋賀の医学部9浪女子モンスター母親殺害事件が代表的です。この母親は子どもを全く信じていません。子どもどころか誰も信じていなかったでしょう。もちろん自分自身さえも。だから権威や他者評価に拘り自分の欲を満たすために「何が何でも医学部」となった。自分自身が医学部を目指す分には何も問題はなかったのですが、子どもにそれをさせようとした。ここがいけません。


病的で歪んだ「こだわり」や「執着」に支配され、子どもを玩具のように扱う親は、おそらく「信じる」気持ちが未成熟のまま大人になり、自分を信じることができないため、心理的拠り所が何もないせいで、人間関係は依存か拒絶のどちらかしかなかったのでしょう。親しくなるといえば依存、そうでない場合は攻撃→排除の白黒型。そういう不健全極まりないライフスタイルの人が子どもを育てるということについて、精神科医としては危惧を通り越し戦々恐々としています。いつまたどんな残酷な真似を子どもにやらかすかわからないからです。医学部9浪女子の話が白日のもとに晒されるまで20年以上の月日がかかりました。つまり今この瞬間にも、医学部9浪女子と同じかそれ以上に悲惨な目に遭っている子どもが必ずいるということです。この事件は決して極端な事例でも対岸の火事でもありません。子どもを育てる親に欠かせない性質資質は色々ありますが、中でも成熟した「自分自身や子どもを信じる気持ち」は不可欠と言って良いでしょう。