子どもが「勉強をやりたくない」という素振りを見せるのには必ず理由があり「やる気」の問題にしてはいけなというのが佐藤ママの教えです。往々にして親は、新しい単元になろうが一律にプリントを5枚ドンと渡して「やりなさいよ」みたいな感じで「とりあえず5枚やったらいいんですけど」みたいなことを言うけど、子どもはそうはいかないよね、と警告しています。


何かやりたくない理由があるわけでしょ。それはお母さんがやり方を間違えていると思う
で、しかもなんかアレでしょ。イライラを「5枚だけやってくれれば、自分は穏やかに過ごせます」とか、それはお母さんの勝手でしょ。なんでお母さんが穏やかに過ごせるために勉強するの?
子どもを穏やかにするために子育てするんだから
お母さんは辛くて全然いいんですよ。子どもの前で表に出さないようにしないと。大人なんだから。何十年も先に生きてるんですから
子どもが穏やかに過ごせるために親がどのように努力するかっていうことなんだから
お母さんが穏やかに過ごすなんて関係ないでしょ。お母さんが穏やかに過ごすために子どもは大きくなってるんじゃないんだから
それはお母さんが未熟すぎ


今、子育ての分野では「未熟な親」が問題になっています。心理的に成熟していない大人です。自分のことばかり考え、今回の相談者のように「5枚だけやってくれれば自分は穏やかに過ごせます」と平気で言う大人です。ありえない。佐藤ママの語気が強くなるのも当然です。
子育てを困難にしているのは子どもより親に問題がある。成田先生が指摘している通りの話です。色々な情報を浴びまくり「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」状態となり、不安に翻弄されるところまでは理解できます。だからと言って分別を忘れたり、前後不覚になるのはダメです。何の言い訳にもなりません。

親ってね、子どもにとって本当の安全地帯じゃないといけない

子どもが新しい単元に入った時、「全然わからない、いやだー!」みたいなことを言えて、お母さんのところに飛び込んでいける安全地帯じゃないと。いつも安全地帯じゃないと

お母さんは辛くて全然いいんですよ。子どもの前でそれを出さないようにしないと


確かに子育ては自分の思い通り人はなりません。しかし「自分の思い通りにならない」のは何も子供だけではなく、自分以外の他者は全員、自分の思い通りにならない。それが人間関係の摂理です。これは頭に叩き込んでおかねばなりません。そうでないと「思い通りにならない」ことにいちいち苦痛を感じ、イライラしたり怒りを炸裂させることになります。親の感情の爆発は子どもにとっては猛毒ですから、厳に慎まねばなりません。そのためには「思い通りにならなくて当たり前」と人間関係の摂理を弁えておかねばなりません。そして苦しかろうが痛かろうが、親は親である以上子どもの安全基地でなければいけません。親がその覚悟を持つことかできるかできないかが子育てを左右します。今、親の虐待や不機嫌に晒され痛めつけられた若者が大勢精神科に訪れています。薬を2つ3つ飲んでるだけでは全然良くなりません。何故か。彼らは親の承認に飢えている。おまけに安全基地を欠いた人生で全く安心できず、常に警戒心を緩められない生活を余儀なくされているのです。