睡眠時無呼吸症候群と並び、今、子供の精神科医療で注目されているのがストレートネックです。スマホやタブレットを見る時間が長くなれば長くなるほど、筋肉の発達が未熟な子どもはストレートネックになりやすい。ストレートネックは睡眠時無呼吸症候群同様、多彩な症状が次から次へと出てきます。目眩や頭痛、疲れやすさといった身体の症状に加え、抑うつ、集中力低下、落ち着かない、怒りっぽくなるといった精神症状が出てきます。うつ病と診断されてしまう子も少なくありません。うつ病のような症状を来した子どもを診察する際、ストレートネックや睡眠時無呼吸をちゃんと疑うことのできる医者は、残念ながら極めて少ないのが現状です。つまり親が知識として知っていなければ誰も気づいてくれないということです。

スマホを長時間見ている子で、猫背(姿勢が悪い)子は整形外科の先生に診てもらいましょう。すぐにわかります。ネットに載っているテストで素人判断するのでなく、可能性を潰すために整形外科医にちゃんと体を見て触って診察してもらうのです。思わぬ利益的なアドバイスをいただけることがあります。
睡眠時無呼吸やストレートネック以外にも副鼻腔炎や視力異常をきたす病気など、子どもの学習に直に影響を及ぼす病気は少なくありません。子どもの「やる気のなさ」や「集中力のなさ」を単に気持ちの問題として片付けるのは危険です。何故なら、身体の病気を見落とす危険性があるから。身体の病気は治療により多くの症状が劇的に改善します。病気を治したら成績がぐんぐん上がったなどということは決して珍しいことではありません。注意深い観察は子育てキーワードです。ついつい色々言いたくなる衝動をグッと堪えて、子どもを注意深く観察する習慣を身につけましょう。あなたの観察のおかげで子どもの困難がひとつ無くなるかもしれません。