勉強以外のことが不安です。お友達できるかな?とか、通学が危なくないかな?とか、学校に行きたくないと言わないかな?とか。まだ先のことを色々考えてしまいます。学校までは近いのですが、交通事故とかが心配なので、一緒に歩いて行きたいなと親としては思うのですが、そういうことをするとお友達からからかわれたりしないでしょうか?

佐藤ママは次のように述べています。

あーまあね、わかりますわかります。これはだから小学校ね、もう手を放しますからね、小学生は小さいからね、確かに思います。通学は危なくないかなってね。私、死ぬほど思いました!車から見たら見えないもんね、小学1年生は小さすぎて怖いですよ。だから私はピッタリくっついて行ってました。

佐藤ママは子どもの通学については「お母さんが一緒に行ったらいいんです!」と述べていますが、これには重要な意味があります。行動で不安が解消できるなら行動すればいい、ということです。子どもの通学の問題は未来や過去の話でなく、今、目の前の話であり、一緒に行けば危険を回避でき親の不安も解消できる。ならば一緒に行けばいい。シンプルに考えましょうという話です。行動せず、いたずらに不安に苛まれ具合が悪くなるよりマシという考え方。何らかの行動で不安の対象となっている問題が解決するのなら、とっとと解決し不安を膨らませないことが大事ということです。一方「未来のこと」、たとえば友達ができるかな?とか、不登校にならないかな?ということは、それはその時に考えるようにしましょうと切り分けます。不安に優先順位をつけ、目の前の危険なら行動し解決する。不安は蓄積すると「あれも不安、これも不安」となりますから、問題として解決できるものはどんどん解決する。同時に「未来の件」は、これは今考えても仕方がないので考えるのはやめましょう、考えるべき時に考えればいいということです。この不安処理法はとても大事なので親は必ず身につけて欲しい。いたずらに不安に翻弄されるのでなく、問題を行動で解決できるものはとっとと解決する。

そしてもうひとつ、不安処理力を強化するためには、他人にどう思われるかとか、そういう余計なことを考えず堂々としていればいい。これも大事です。佐藤ママは「低学年の通学は危ない」という考えを持っているのですから、他人がどう言おうが知ったことではない。自分が大事と思うことは、他人がどう言おうと貫く。そういう心の強さを持ちましょうという話です。佐藤ママはことあるごとに「堂々としてればいい」と繰り返していますよね。それは「他人は他人、自分は自分」という意識の行動化です。そうすることで「他人は他人、自分は自分」という意識が強化されイタズラに不安に翻弄されることがなくなる。そういうことを佐藤ママは子どもたちに教えていたのだと思います。決して勉強の話ばかりしていたわけではなく、むしろこういった生きる姿勢みたいなものをしっかり教えていた。これが佐藤ママの素晴らしいところなのです。