今回は「子どもに及ぼす母親の影響力」というタイトルでの対談です。動画の最初から文字起こしします。

子どもは母親の喜ぶ顔が見たい。母親の期待に応えようとします。自分の言動や行動が、どうしたら母親が喜んでくれるかという基準で動いている。このことは母親の影響力が絶大ということです。ということは、母親はその影響力をどう使うかが問題なのです。親が気づかないところでも子どもは親の気分・機嫌・顔色を常に読み取っている。なので母親が不機嫌、不幸せそうにしていると、子どもは自分のせいじゃないかと思ってしまうのです。なので不機嫌なお母さんがいたら1日も早く改善していただきたい。特に小学校以降になると、子どもに「条件付き」になってしまう。例えば、親がテストの点数や成績で一喜一憂すると、子どもは無条件で自分は受け入れられていないと感じてしまう。

子どもを自分の思い通りにしようとする親はとても多い。支配欲、コントロール欲求、、一番悪いのは、子どもが学童期になっても思春期になっても、親が自分の思う方向に子どもを誘導しようとする、自分の描く理想に近づくように誘導すること。これの怖いところは、親は子どものためだと思っている。虐待までいかないにしても、多くの親は子どものためだからといって子どもを思い通りにしようとしている。そこが問題なのです。そうすると、親が喜ぶようなことを自分の内的な基準にしてしまうから、大人になっても親が喜ぶかどうかの基準で動いていたりするわけです。それは人間関係や仕事にも影響してくる。そのひとつが共依存です。なので親は自分が子どもを思い通りにしていないかを厳しくチェックする必要がある。できれば親は自分を律して欲しい。なるべく自分の子どもを思い通りにしようとしない。思い通りにしようとすればするほど思い通りにならず、それにストレスを感じ不安や不幸を感じるわけです。そんなことになるくらいなら子どものありのままを受け入れる方が良い。そうすれば自分も楽だし子供も楽です。(これが昨日の動画で陰山先生が述べていた「お気楽」です)

子どもも他人ですよ。子どもには子どもの人生がある。「勉強を一生懸命やって良い学校に入り大きな会社に入れば安泰」と考える親がいる。しかし今の時代の状況はそうなっていない。そういう価値観を押し付けたら子どもはかえって不幸になってしまう。子どもには子どもの人生がある、親の価値観を押し付けない方が子どもは余計な苦労をしないで済むわけですよ。子どもに「ああしてほしいこうしてほしい」と思ったら、なぜ自分がそう思ってしまうかを点検する。親は40代50代になったら、自分が親から受け継いだ価値観を点検する時期に入っているのです。なぜ子どもが勉強しないと親がイライラするかを考えてほしい。何故かを自分に問うて欲しいのです。


いかがでしょうか。今回の動画で私がお伝えしたいのは、今、精神科に訪れる若者の多くが「親に認めてもらえない」欲求不満を不調の根底に持っていることです。親の言う通りにできない自分は悪い子、価値がない、生まれてこなければよかったと考えている。親の影響が絶大というのはまさにこういうことです。親の期待に応えられないから死にたいといっているわけです。とんでもない話ですよ。だから佐藤ママは「子育てに親の期待や欲はいらない」と述べているのです。子どもが親の期待や欲に応えてくれないといってがっかりしたり悲しむなど言語道断ということです。この現象は若者だけではありません。中年あろうことか老人になっても続きます。これが怖いのです。自分が子どもを持つ親になっても、まだ親の呪縛から逃れられず苦しみ続けている。この現象に学歴は関係ありません。東大卒でも医者になってもずっと苦しみ続けている。全然幸せじゃないわけです。子どもには子どもの人生がある。心に刻んでそのように行動してくださいね。