子育ての教科書「セルフドリブンチャイルド」の冒頭には、次のように書かれています。

健全な「コントロール感」は、私たちが子どもに望むほとんど全てのこと、体と精神の健康、学業の成功、幸福に関係していることがわかった。健全なコントロール感が欠如すると、子どもは無力感に苛まれ、受動的になったり、あきらめたりすることが多くなる。有意義な選択をする能力を否定されると、不安になり、怒りを抑え込もうとして、自己破壊や薬物依存に陥るリスクが高まる。育った環境に関わらず、コントロール感が欠如すると、内面の混乱が悪影響を与えることになるのだ。
私たちは皆、自分が周りの世界に影響を及ぼせると感じる時に、より良い結果を出す。だからほとんど効果はないのに、エレベーターのドアを閉めるボタンを押し続けるのだ。1970年代に行われた画期的研究で、自分の面倒は自分で見なさいと言われた老人ホームの入居者が、看護スタッフが面倒を見てくれると言われた入居者より長生きしたのもそのためだ。それは結局、宿題を自分ですると決めた子どもの幸福度が比較的高く、ストレスが少なく、やがて人生で成功しやすい理由でもある。

いかがでしょうか。子どもにコントロール感、即ち自己操縦感を持たせることがいかに大事かが説明されています。自己操縦感→体と精神の健康→学業です。この順番に抗うことはできません。要は、自己操縦感が未熟で体と精神の健康を損なえば学業に支障をきたすということです。せっかくの努力が成果や結果につながりません。「勉強しない」子どもの中には、生活が乱れに乱れている子が相当数含まれています。乱れた生活の修正なしに、いくら「勉強しなさい」と親が叫んでも、子どもは勉強するようにはなりません。なりたくてもなれないのです。なので成田先生やドミニクローホーが唱えるように、まずは生活を整えましょう。