やる気を出して一生懸命やったらいいなっていうのが理想なんですけど、それはありませんから。絶対ない。やる気を出して勉強させるんじゃなく、やる気の出るような教材を持ってくる。やる気が出ないのは、教材が難しいか、量が多いか、適切な時間ではないか、何かが支障があるんですよ。難しすぎてもダメ易しすぎてもダメ、そこは気をつけないと

勉強に関して、子どもにやる気を出させたいと欲する親は非常に多いです。この問題に対し佐藤ママのスタンスは一貫しており、「やる気」というメンタルの問題にするのでなく「必ず何か原因があるという姿勢で対応する」です。やる気がないから勉強しないと考えるのでなく、何か具体的な原因が放置されているから勉強しないと考える、ということです。これは勉強に限らず人生の至る所で必要な思考姿勢です。実際、メンタルの問題にしてしまう人は常に具合が悪いです。理由はわかりますよね?原因が放置され続けるからです。

机は普通のサイズですけど、結構ガッチリしたやつを買いました。結構高いの買ったんですよ。子どもたちが初めて持つ自分だけの家具っていうのは机でしょ。いつも触ったりするじゃないですか、だから質の良いものじゃないとダメだなあと。

さて、この部分、皆さんの中に子どもの机について、佐藤ママのような思いや配慮をもって選んだ人はいるでしょうか。残念ながら私は違いました。確かに、普段使うものへの愛着が人の心や行動に大きな影響を与えるのは事実です。それは子どもとて同じ。実はこれと同じ話を夫がしたことがあります。小学6年の長男が「新しいスパイクが欲しい」と言った時のことです。いつものように家族で店に赴き、最初は子どもに好きなように選ばせ、夫が話を聞いて必要なアドバイスをし、最終的に子どもに決めさせるという方法をとっていたのですが、その時長男が「一番欲しいのは高すぎるからこれでいい」と言ったのに対し夫はこう言いました。

こういうもん(スパイクなど練習で使うもの)はいっちゃん欲しいもんを買うたらええ。値段なん気にせんでもええわ。そのためにおれが働いとるんや

その時の夫の発言は今回の佐藤ママの意見と同じだと思います。その証拠に長男は大喜びし「早速どんな感じか確かめたい」と即座に帰宅し、夫とグランドへ走って行きました。そして、そのスパイクをきっかけに長男の手入れの様子が明らかに変わったのです。毎日笑顔で嬉しそうに丁寧に手入れするようになりました。作業という感じではなく。このエピソードを通じ私は、スポーツをする男の子にとって道具は、私が思っていた以上の意味で大事な存在なのだということを初めて知りました。その意味についてイチローさんが高校球児に述べた教えを紹介します。