ユダヤ教の伝統によると、年に一度、信者は家の食料の蓄えを完全に空にすることを要求されます。それは徹底したもので、床の板敷きに挟まったパン屑さえもはき出されます。香りのないスパイス、固まってしまった砂糖、フレーバーの飛んだ紅茶といったものを何年も保存しなくて済む、なんと素晴らしい習慣でしょう。これは家計を節約することにもつながるのです。人間は、欠乏に備えて貯蔵するという習性をおそらく太古の時代の名残として潜在的に持っているのでしょう。でも私たちは、他のあらゆる分野で変化を遂げてきました。食料に関しても例外ではありません。「私が若かった頃は戦争があった。何もなかった」と言う人もいるでしょう。でもこの場合も同じことが言えるのです。災害が起こった場合、たとえこれらのストックがあったとしても持ち堪えられるのはせいぜい数週間ではないでしょうか。もし私たちが定期的に断食することを学んでさえいれば、この欠乏することへの恐怖感は完全になくなります。人間は食べ物を一切口にしなくても、40日間生きられると言われています。ただし水は絶対に必要です。1番の無駄は捨てることではなく、身体が要求する以上に食料を買い、消費していることなのです。そして病気になっては医者の世話になり、薬の投与、病院、さまざまな治療が必要となっていくことなのです。