ゆき先生の動画です。最初に中学受験のメリットデメリットを紹介した上で、最後に中学受験に挑む親子の心得をお話されています。偏差値50云々はあまり関係ないように感じました。動画内でゆき先生は「メリットデメリットを理解した上で子どもの反応を見て決める」と強調しています。大事なのは「子どもの反応を見て」の部分です。

メリット
① 先取り学習
② 高校受験がない分趣味や部活に専念できる
③ 学習意欲の高い生徒が多い
④ 高校生と交流できる
⑤ 目標に向かって努力する習慣がつく

デメリット
① 成績・順位で価値が決まる
② 費用面
③ 勉強に偏りすぎる

中学受験を最終目標とせずに、何のためにするのか、どこに向かうためなのか、そういうもっと大きい人生の先の目標を見据えておくことが大切。そういう大きな人生の目標を考える時、必ず子どもの意見を聞いてください。親が◯◯させたいというのは親のエゴだと感じます。しっかり対話をして漠然とでも将来のなりたい姿があるのか、耳を傾けてください。
中学受験の勉強でとても大切と思うのは成果結果を母親の力ととらえないこと。子どもが受験でどんな結果を残したかを母親の力と考えてしまうと、母親の見栄や世間体のために受験させるということが生じます。もし受験でうまくいかなかったとしたら、自分は「母親にとって恥ずかしい存在」「母親に迷惑をかけちゃった」と考えてしまいます。あくまでも受験は本人の希望で本人が頑張るもの、親はそれをサポートする立場だというのを忘れないことが大切です。そして、もしうまくいかなかった時、どう声をかけるか、どう冷静に対処するのか、それはあらかじめ考えておいた方がいいです。自分の友達でも中学受験がうまくいかなかった時に、親が意外とケロッとして「まあ受験なんてそんなもんでしょ」と言ってきて「それでもうどうでもいいやと思って第3志望の学校に進んでのびのびやれたよ」言っていた子がいるんですよ。


いかがでしょうか。中学受験への親子の心構えとして、ゆき先生が冒頭に述べた「中学受験を最終目標とせず、もっと大きい人生の目標を見据えることが大切」というのは本当に大事だと思います。この「もっと大きい人生の目標」というのは医者になりたいとかプロ野球選手になりたいとかそういう具体的な職業名ではありません。「何か新しいことを発見したり作ったりして人々を驚きと感動を与えたい」とか「物事は見る方向によって見え方が違う、そういうおもしろさをずっと味わっていきたい」とか、そういうことです。前者は長男が後者は次男が言っていました。

私は、息子たちに「◯◯中学に行って欲しい」とか「ラグビー選手になって欲しい」とかそういう具体的なことを希望したことも口にしたこともありません。そんなのは自分で考え、自分で決めてちょうだいと思っていたからです。そんなことより「今、どういうことに興味があるのか、何をしたいと思っているのか」そういうことを普段の会話で問答し、話をさせるよう心がけていました。中学受験したいと意思表示した頃の長男がある時「何か新しいことや面白いことを発見したり作ったりして皆をびっくりさせたり面白い!楽しい!と思わせるようなことをしたい」と言った時、「ああ、そういうことなら受験もいいかな」と思いました。長男の頭の中で中学受験が最終目標でないことがわかったからです。

長男はいわゆる中堅校に行きましたが、受験校は自分で調べ自分で決めました。実際に学校に足を運び、先に入学した先輩や在校生に話を聞いたり、気になる部活の練習を見学に行ったり、事前に登下校の行程を何度か往復してみて「登下校もキツくないし楽しそう」と言って、最終的にその1校を受験しました。子どもながら積極的に必要な情報を仕入れていたと思います。こういう「選択」に関わることについては、私も「こういう点も調べた方がいいんじゃない?」「部活の顧問の先生に一か八かで手紙書いてみたら?」という助言をしました。子どもにとって大事なのは学校の偏差値とかそういう要素ではなく、その学校の「これこれこういうところが気に入ったから行きたい」という生々しい思いと思考プロセスと考えていたからです。結論を言えば、子どもが自分でじゅうぶんに調べ行きたいと思う学校なら、偏差値50だろうが60だろうがそういうことは大して重要じゃない。私はそのように考えていました。どんな学校にもメリットデメリットはあるわけですから、そういうことは入学後に自分で自分の選択をより良いものにしていけばいいことです。