不要なモノを捨てられず、異常な溜め方をする場合、さまざまなレベルで心理的な問題を表しています。これからご紹介するケースは自分のモノを溜め込まざるを得ない衝動を自覚し、そこから解放されたいと願っている人たちなのです。自らその問題を認識することは、改善への最初の一歩です。そういう意味からもいくつかの例を見ていきたいと思います。

① 住まいを転々とした幼児期を送った人
子ども時代を養子縁組、寄宿生活、親の離婚、親の仕事の関係などで、常に移動する生活を送ってきた人の中には、モノを溜め込むことで不安定な子ども時代に味わえなかった幸福の一部分を取り戻そうとしている人が見られます。

② 見捨てられた人
「私が決心しない限り、私のモノが私から決して離れていくことはない。私のもとをいきなり去って行った人たちのように、私を見捨てることはないのよ」これが見捨てられ、裏切られた経験を持つ人が、その十分に愛されなかった、傷つきやすい性格から引き出した論理です。

③ 身勝手な親に育てられた子ども
「私が小さかった頃、母は私が学校に行っている間に私の玩具を売ってしまいました。玩具で遊ぶには私がもう大きすぎるという理由で。母は私の学校の教科書や私の持ち物を全て捨ててしまいました。子ども時代のモノは何一つ残っていません。今、私はあらゆるモノを収集しています。古道具があると、私のコレクションのために何か買うものはないかと覗いてみる衝動を抑えることができません。でもこの飽くなき欲求は私の人生をかき乱しています。誰か助けてください」
親は子供の持ち物を取り上げるべきではなく尊重すべきです。子どもには玩具や服を大切に扱い、片付けることを教えるべきです。