シンプルに生きるために、物質的な必要を満たすことは前提条件でしかありません。そこから物質的でない意味での「豊かな生活」を築いていかなくてはならないのです。そしてこのことが人を不安にさせるのです。それは自分に対する自信のなさ、空虚感、無認識、退屈、孤独、未知への不安といったことで苦しむことを恐れているからです。苦しみ、退屈、ルーティン、気晴らしがないこと、避けては通れない人生のさまざまな変化、こういった不安を忍耐する訓練をしていない人は、それに直面する痛みと忍耐を恐れているのです。捨てることは難しいことです。なぜならこれは人生に関する個人的な問題を浮き彫りにするからです。それは取り返しのつかない瞬時の決断をする痛みを生みます。捨てることは、自らの存在に責任を持つことを余儀なくします。それは自分の意識の持ちようが、どのような状況においても動じないでいられるパワーを鍛えるのだ、ということを受け入れることです。