昔の持ち物をとっておくことで人は時間を止め、または過去を回顧することを求めます。しかし自分がこれほどまでにこだわっているモノは、すでに過ぎ去った時代のモノ、その時代が蘇るわけではないのです。どうしてもその過ぎ去った過去のモノをとっておきたいのなら、日々使うモノにしてみます。自分の戸棚の中に今後使いもしないモノを詰め込みっぱなしにするべきではありません。過去の後悔、これは今、自分が抱いている印象にすぎません。将来の不安も精神的なもので、今の時点では現実味のないものです。別な言い方をすれば、過去と未来は、今ここで、私たちが生きているこの瞬間につながっているのです。今という時間に注意の照準を合わすことで得られる恩恵は、訓練すればするほど増していきます。自ら「心」の大掃除をすることは埋もれていた物事を再び表面化させ、それに輝きを与えてくれます。すると物事がより明確に見えるようになり、自分が行なっている物事の理由や原因もより深く理解できるようになってきます。結局「捨てる」ことの究極の目的は、自らの神に到達することを阻む邪魔者を取り除くことなのです。したがって、自分を過去に繋ぎ止めるモノにこだわることは非生産的です。所有するモノから気持ちを切り離した今こそが、それまで散々それに囚われ続けていた心の部分を完全に自分の中に取り戻すことを可能にするのです。「捨てる」ことがあなたを現在に近づけます。あらゆる方向に、時にはネガティブとも言える方向に分散していたあなたのエネルギーもブレずにひとつの方向に集中します。精神面においてもより完全に、より安らかな気持ちになれるでしょう。それもただ不要なモノを「捨てる」だけで。これは驚きの真実です。