精神科に訪れ具合が悪いと訴える人の半分は「自分で設定した苦手な人」で苦しんでいます。一方、具合が悪くなることなど一度もない人にインタビューすると「苦手な人を設定しない」と言います。これは非常に大事な差異です。しかしどうしてこう「苦手な人」を設定してしまうのか。理由のどれだけかは親の悪習を継承したものでしょう。しかし今更原因を探っても仕方がありません。時間は過去に戻せないのです。

人間関係の基本は「自分以外の他者は自分の思い通りに動かせない」「世の中にはいろんな人がいて、色んな考え・価値観に基づいて行動している、理解できないこと相容れないことなどいくらでもある」です。この基本は受け入れないといけません。ここを受け入れられないと文句や不平不満、被害者意識に満ちた人生になります。この局面で有効なのが加藤諦三先生のいう「放っておく」です。放っておくというと口も効かないと考える人がいますが、そうではありません。その考え方が極端なのです。そうではなくて淡々と対応・対処するのです。これができる人は組織で腐らないし尊敬されます。

それって「感情を殺せ」ってことですか?

と言う人がいます。違いますよ。なぜ、そう極端なのでしょうか。なぜ「殺す」などという物騒な言葉を使う必要があるのか。しかし文句を言ってばかりいる人や苦手な人を作りまくる人にはこのような傾向が確かにあります。とにかくネガティブワードでまとめたがる。殺そうと思っても死にませんよ、感情などというものは。

「殺せ」ではなく「淡々と対応対処する」と言っているのです。佐藤ママがよく言っている「淡々と」です。小学生のうちから「淡々と」の極意を会得することがいかに大事かわかりますよね。淡々と◯◯するって、めちゃくちゃ大事なんですよ。