「人間関係が苦手」とか「言ってはいけない一言をつい言ってしまう」とか「すぐにキレてしまう」とか、そういう性質を「発達障害だから仕方がない」と考えたがる人が増えています。しかし現実は「仕方がない」なんてことはないわけです。だってそうでしょう。キレるくらいならまだしも殴ってしまった、という事件に「発達障害だから仕方ないよね」と「許容される」ことはないですから。なので発達障害であろうがなかろうが、そういう性質は改善した方がいいと考えるのが社会適応への第一歩です。

とにかく文句を言わないと気が済まない人、何かにつけ「上から目線」だとか「高圧的」といちゃもんをつける人も同様です。要は<自分の思い通りにならないことは全部悪>という考え方です。極端な白黒思考ですね。こういうのを「生きづらい」と言ってSNSとかに書き込んでいる人がいますが、そりゃ生きづらいでしょう。だってトラブルの火種を自分で作ってるんですから。その火種は「わかってもらえない、わかってくれない人が悪い」という考え方ですから、厄介な人間扱いされても仕方がありません。世の中、全員が寛容な人間ではないのです。色んな人が色んなことを言い、色んな反応をする、それが社会です。

じゃあどうするか。社会の大前提として、この世には色んな人がいて色んなことを言ったりやったりするものだということを当たり前に受け入れる。これができるかできないかが人生を左右すると言っても過言ではありません。医者が全員人徳者なんてことはないわけです。態度の悪い医者もいますよ。自分の思い通りにならないとか、自分の期待通りの反応が得られないからといって、いちいち不快に感じていては不幸感ばかりが蓄積し、全部「他人のせい」にするという最悪な性質が強化されてしまいます。そうなると本当に不幸です。周囲はその人を避けるようになり陰口も叩かれます。高圧的な物言いをされることにもなります。だからと言ってその人たちが「悪」とはならないし、そんなこと言っても自分の苦しい状況は何も変わりません。

少なくとも社会適応に関する件においては、発達障害の有無は大した意味がありません。病気でなくても社会適応の悪い人はいくらでもいる。病気であろうがなかろうが、社会適応は良いに越したことはないのです。