次、小4です。そろばん1級を目指して頑張っているのですが、合格した後もそろばんを習い続けるのか?1級でやめて英語塾に行くのか、悩んでいます。今はそろばんしか習っておらず、他の習い事もして欲しいと悩んでいます。中学受験も少し考えています。

という相談ですが、皆さん、いかが感じられましたか?

え?、、で、何を聞きたいのですか?相談事は何ですか?

と思わなかったでしょうか。私は思いました。「色々悩んでいる」はわかりました、で、聞きたいことは何ですか?という話です。最近、精神科でも非常に多いのが、今回のような、自分が何を相談したいかを明確に言語化できず、そこのところは相手に読み取って欲しいという姿勢の人です。どういうことか具体的に説明します。診察室に入室した全ての患者に私は次のように質問します。

本日は、どのような症状が辛くてお見えになりましたか?体の症状、精神の症状、どちらでも良いので、最も辛い苦しいと感じている症状を教えていただけますか?

この質問に対し、自分が体験した辛い出来事の経緯を時系列に沿って詳細に説明し始める人が増えている、という話です。

4月2日に同じ部署のスタッフが次々やめて、ろくに引き継ぎもせずにやめてしまい、その仕事が全部私に割り振られたせいで、会社を出るのが毎晩11時過ぎで休みも取れなくて、上司に相談したら「キミしかやれる人がいないから」と言われてしまって、、、

と延々話し続け、質問に対しピンポイントの回答をしないのです。普段から頭の中の整理整頓をしていないため、問題の優先順位がわからず、何を最も伝えたいかが自分でもわからなくなっている、という現象が起こっているわけです。一番大事なことはそっちで読み取ってください、という姿勢です。これでは問題解決はできません。闇雲に悩み続けるだけです。

この質問に対し、佐藤ママの回答は論理的かつ明解です。相談者の頭の中がまとまっていないことを即座に読み取り<まず決めなきゃならないのは中学受験をするかしないかです>と述べている。ぐちゃぐちゃになった頭の中をスッキリさせるために、最初に手をつけるべき優先順位の最も高い件はコレですよ、と説明しているのです。複数の問題(悩み)を前に「あれもこれも」と並列に悩むのでなく、それら問題の中で最も大事な問題が何かをさっさと見極め、まずそれを解決し、次にその選択に応じて①受験するならこう、②受験しないならこう、という順番で考えましょうと説明しています。

親が子どもに与えるしつけや教育の中で優先順位の高いもののひとつが、この、問題解決思考の手順です。思考習慣です。こういう思考の手順を親が日常的に口にしていると、子どもも自ずとそのような思考手順を踏むようになります。悩みを悩みのまま堂々巡りにするのでなく、悩みを解決するために優先順位をつけるという習慣です。親がこういう思考習慣の子どもは当然のことながら算数・数学に強くなります。算数・数学は思考の道筋を会得・強化する科目だからです。