昨日の繁田先生の動画には大事なことが目白押しです。が、あえてもうひとつだけ取り上げます。「結果に対しポジティブに向き合う」という姿勢です。こういう「姿勢」こそ、親が子どもに教えることです。そして好ましくない姿勢を子どもに受け継がせてはなりません。

日常的になんですけど、本番への不安を払拭してくれるような声がけをしてくれた。模試を受けて帰ってきた時、悪い点数だった時もあると思うのですけど、そういう時に、「いや、本番じゃなくて良かったね」とか「模試だから、それ。本番じゃないし。今から勉強すれば良いだけだし、わからないところがわかったのはすごく良いことだよ」というように<全然大丈夫だよ>と元気づけてくれたのが印象に残っています

女子学生はこのように述べています。注意して欲しいのは冒頭の<日常的に>という部分です。入試直前だけという話ではありません。おそらく彼女の母親は、中学受験準備期間中のみならず、子育ての最初から今日に至るまでずっとそのような姿勢で接していたのではないでしょうか。つまり彼女の人格や価値観形成期において、非常に好ましいものの考え方や取り組み方、対処法を日常的に示し続けたに違いありません。誰かに聞いた状況限定的ノウハウ<こういうときはこうする>的な断片的知識では大した効果は期待できません。親がそもそもの価値観人生観にしていることだからこそ、生活の随所でそれを子どもに示すことができるのです。借り物で付け焼き刃的ノウハウを子どもに「声がけ」したところで、親の行動や基本精神が伴わなければ、結局はまとまりを欠き、子どもはそれを体系的に会得することができません。

結果が悪かった時にガッカリされたり叱られたりすることは本当になくて、点数が悪いからダメでもないし、点数が良かったから「すごい!天才だね!」みたいなこともなかった。特に点数に一喜一憂するような評価のされ方はなかったです

女子学生はこのように非常に簡潔に述べています。母親の姿勢や振る舞いに「まとまり」があった証拠です。「あの時はこうで、この時はこうで」といったバラバラのエピソードで記憶を再現するのでなく、大きな一つのまとまりとして再現することができている。佐藤ママと同じですね。こういう部分は見習うところです。親が普段から結果に一喜一憂せず長期的に物事を見ることのできるライフスタイルを示していれば、子どもも自ずとそのようになり、そういう親の姿勢こそが本番直前期の子どもの緊張や不安の絶対量を大きく減らします。なので本番直前に、親が子どもの不安払拭のために「ことさら」何かをしなくては!とジタバタする必要がなくなり、それが子どもの心の平穏を守ることになるのです。