佐藤ママの動画です。2歳11カ月の子どもの母親からの相談です。


幼児期の公文の取り組み、勉強好きにさせるための工夫について教えてください。ゆくゆくは中受を目指しています。<中略>私はもともと負けず嫌いで、ひとりでコツコツ勉強するタイプなので、息子のようなタイプは本当に理解できずモヤモヤしてしまいます。息子がこのまま勉強が好きになり、公文を嫌がらず進めていくのにはどのような声がけ、枚数、進度、工夫をしたらいいのでしょうか。




いかがでしょうか皆さん。感じるもの、ありましたでしょうか。相変わらずの「どうしたらいいでしょうか」的質問ですが、質問にはその人の思考様式や思考癖が出ますからね。今回の相談者にも問題点を見つけました。まずは、今2歳の子どもに「ゆくゆくは中受を」と言っている点、そして「私はもともと負けず嫌いで、息子のようなタイプは理解できない」と言っている点、どのような声がけ、枚数、進度、工夫と言っている点です。



 ひとつひとつ解説します。2歳3歳児に中学受験の話は早すぎます。「いやいや考えているだけだから」と反論なさる人もいるかと思うので私の考えを述べますが「考えるだけ」でも影響は出ます。現にもう出ていますから。先のことを考えるあまり不安に翻弄される癖です。目の前のことに注意を向け、子どもをよく観察しましょう。次に相談者は「自分は負けず嫌いなので、正反対の息子のことが理解できない」と述べています。2歳の時点で「理解できない」などと言っていたらこの先どうなるのでしょうか。そうではなくて「いろいろな性質の子どもがいる」を受け入れる必要があります。理解の前に「受け入れる」です。ここを間違えると、子どもを自分の思い通りに動かそうという意識が芽生えます。もう芽生えてるかも知れないですね。危険です。3つ目は、どのような「声がけ」「枚数」「進度」「工夫」と言っているということは、「声がけ」「枚数」「進度」が重要なファクターと考えているに違いないということです。「声がけ」「枚数」「進度」といった件をどうにかすれば子どもが勉強好きになると考えているってことです。違いますね。動画の冒頭の佐藤ママのセリフをよくお聞きください。


中受はとりあえず置いといて、先生から宿題をいただくんですけど、家に帰ってやらせようかなと思ったけど、いきなりね、公文のプリントがない生活だったのに、家に帰って宿題というものにね、自分の生活に入るのって嫌だろうな、と思ったんですよ。だからね私、いつ家で宿題させようかって、ずーーーーーーーーーーーーっとね様子見ながら狙ってたんですよ



お気づきになりましたか?視点が違います。佐藤ママは子どもの生活に、新たに宿題などというものが入ってくるのはきっと嫌だろうと、そういうところに配慮していました。宿題のなかった生活から宿題のある生活への変化に心を砕いたわけです。2歳児にとって宿題の登場は、変化というより激変です。それくらいインパクトのあることと考えた。おそらく勉強嫌いになるのはこういうところだろうと推察したに違いありません。だから「いつ家で宿題させようかって、ずっと様子を伺っていた」と述べている。タイミングを間違えないよう、ものすごく観察したに違いありません。ここです。佐藤ママは目の前のことに集中できているので子どもをよく観察できている。子供心に配慮できるのです。こういうところの違いが、子どもが勉強好きになるか勉強嫌いになるかを分けるところですよ。ご注意ください。